Microsoftは10月24日(現地時間)、Arm向けWindowsアプリの開発機となるWindows Dev Kit 2023をオーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、日本、英国、米国の8か国で発売しました。日本での価格は9万9800円。執筆時点では「在庫なし」となっています。
Windows Dev Kit 2023は、5月に開催された開発者向けイベント「Microsoft Build 2022」の基調講演でProject Volterraとして発表されていたデバイス。ArmネイティブなWindowsアプリ開発を効率よく行えるというMac miniのような小型PCで、複数台を積み重ねて使用できるスタッカブルデザインが特徴となっています。サイズは196 x 152 x 27.6 mmで重さ960g。
SoCにはSnapdragon 8cx Gen 3を搭載しており、メモリは32GB(LPDDR4x)で、ストレージは512GB(NVMe)。インターフェースとしてUSB-C USB 3.2 Gen 2 x2、USB-A USB 3.2 Gen 2 x3、プライマリーモニター接続用のMini-Dispaly Port(HBR2対応)、イーサネットポート(RJ45)を備えます。無線関連はWi-Fi 6とBluetooth 5.1に対応。
QualcommのNeural Processing SDKを利用し、内蔵のニューラルプロセッシングユニット(NPU)を活用した高度なAI機能を持つアプリを開発できるとしています。
また、Armネイティブのツールチェーンも用意されており、Arm上でのネイティブ動作でパフォーマンスが大幅に向上したVisual Studio 2022 17.4や、x64版との機能差を埋め、同等のパフォーマンスを実現するArm64版.NET7などがプレビュー版としてリリースされています。これらのツールチェーンの多くは年末までに一般提供を開始するとのことです。
このほか、Microsoft TeamsやMicrosoft 365、Microsoft Edge、Microsoft Defender for Endpoint、OneDriveなどのArmへの移植を実施しており、Adobe Photoshop、Adobe Lightroom、Zoomなどのサードパーティ製品についてもArmへの移植を進めているとしています。
なお、Windows Dev Kit 2023の詳細については、10月26日に開催されるArm Dev Summitで触れられるとのことです。