アップルは米国内におけるApple Watch Series 9およびApple Watch Ultra 2の販売を再開しました。
アップルは先週、医療・健康技術会社Masimoとの間の知的財産権紛争に関し、Apple Watch Series 9およびApple Watch Ultra 2の輸入禁止措置を米国際貿易委員会(ITC)から命令され、それに先んじて販売の一時中止を予告していました。
ITCの命令は米国政府で60日間の審議を受けていました。この間に大統領が拒否権を発動すれば、アップルは販売中止を回避することができましたが、ここで政府はITCを支持。一方、アップルは、税関・国境警備局(CBP)が係争中の技術を含まない同社の時計の再設計バージョンがMasimoの特許を侵害しているかどうかを検討するまで、禁止措置を保留するよう連邦巡回区控訴裁判所に求めていました。
その結果、控訴裁判所がAppleと医療・健康技術会社Masimoとの間の特許侵害訴訟を検討し、完全な判決を下すまで、輸入と販売の禁止は延期される決定が下されたとのことです。控訴裁判所は米政府に対して「上訴中の停止申し立てを検討する間、追って通知があるまで命令を執行しないよう」指示しています。
アップルの広報担当者は「連邦巡回控訴裁判所が、私たちの全面的な上訴が終わるまで命令を保留するという私たちの要求を検討する間、排除命令を保留したことを嬉しく思います」とコメントを出しました。
Masimoとアップルの間の争いは解決には程遠いものの、今回の一時停止措置はアップルが今後のためのバックアッププランを練り、実行するのに十分な時間を与えることになるはずです。また、米国の司法制度の通常のペースに基づいて考えると、措置は数週間から数か月におよぶ可能性が考えられます。
なお、今回の控訴裁判所の判断により、米国内のサードパーティの小売業者も、Apple Store同様にApple Watch Series 9およびApple Watch Ultra 2を販売し続けることが可能になっています。ちなみにこの問題は米国でのApple Watchの販売に関するものであり、日本国内では販売に関する影響はありません。