先日、広告ブロックを使うとYouTube動画の読み込みが遅くなる現象を複数のユーザーが報告していました。
広告ブロックの利用はYouTubeの規約違反であり、運営も取締りを強化していることから、今回の現象についても意図的に遅延させているに違いないと推測する声もありました。
しかしそうした声に対して、YouTube側は「(読み込みが遅延する現象は) 広告ブロック検出の取り組みとは無関係です」として否定。その一方で、大手広告ブロッカー企業のAdBlockが、自社製品「AdBlock」および「Adblock Plus」にバグがあったと認めています。
YouTube広報はAndroid Centralへの声明で、AdblockとAdBlock Plusのユーザーに起こった速度低下は自社によるものではないと発表。「最近ユーザーにYouTubeで読み込み遅延を起こっているとの報告は、弊社の広告ブロック検出の取り組みとは無関係です」「弊社のヘルプセンターは、問題が発生したユーザーにトラブル解決のヒントを提供しています」と述べています。
かたや人気の広告ブロッカーAdBlockは、9to5Googleに自社製品のバグを認める声明を寄せています。
すなわち「最近AdBlockおよびAdblock Plusのユーザーの方々は、YouTubeやその他のウェブサイトを閲覧する際に、パフォーマンスの低下とCPU使用率の上昇が起こることがありました。弊社のエンジニアリングチームはこの問題を修正し、ABP 3.22.1とAB 5.17.1をリリースしました」と述べています。
この新バージョンは「すでにOperaとEdgeの拡張機能ストアで入手可能で、MozillaとChromeの拡張機能ストアでは現在審査中です」とのこと。「AdBlockとAdblock Plusのユーザーは、拡張機能を新バージョンに更新すれば、修正したバグに関連する問題が発生しなくなるはずです」と付け加えています。
実際、AdBlock開発チームの1人もGitLab上で、YouTubeのほかGoogle翻訳やマイクロソフト関連サイトで速度低下が起こっているとの声を受けて「バグの原因を特定し、修正しました。なるべく速くリリースできるよう作業中です」と述べていました。
今回の件は、結局のところYouTubeの意図ではなかったと判明した格好です。
とはいえ、今後もYouTubeが広告ブロックの検出と、そこから派生する対策を続けることは確かでしょう。広告ブロックの使用禁止は規約に書かれており、広告ブロックユーザーに対してポップアップでの警告という形で明示しています。