Xrealが、ARグラス用の「空間コンピューティング」デバイス XREAL Beam Pro を発売しました。
XREAL Beam Pro は、XREAL Air シリーズなどARグラスと接続して動画やゲームが楽しめるスマホ型デバイス。
Google Play対応で一般的なAndroidスマホアプリがそのまま動くほか、
レンズ間距離の広いステレオ3Dカメラで、自然な空間(立体)写真や動画が撮れる、ARグラスで観られる
2つのUSB-C端子で、ARグラスを使いながら充電できる
メガネ型ディスプレイに最適化した独自環境の NebulaOS (Android 14ベース)で、一般のスマホと接続するより使い勝手が向上
といった点が特徴の製品です。
Xrealが特に強調するのは、最初から3D空間撮影のために設計されたデュアルカメラを搭載すること。
「空間コンピュータ」ことVision Proを発売したApple の iPhone も、最上位の iPhone 15 Pro および 15 Pro Max が空間ビデオ、つまり左右ステレオの視差で奥行き情報を持つ立体動画の撮影に対応しますが、左右に2cmほどしか離れていない広角カメラと超広角カメラを使い、様々な処理を施して人間の眼に近い立体感を再現します。
対して、XREAL Beam Pro は人間の瞳孔間距離に近い50mmのレンズ間距離で、画角もF値も同一の50MPカメラを搭載。
これにより、ある意味で比較的素直に、自然な立体感のあるステレオ3Dビデオや写真が撮影できることを売りにしています。
デバイスとしては、スマホ型というよりスマホそのもの。ただし今回発売したのは、Wi-Fi 6およびBluetooth接続のみ備えるモデルで、セルラー通信には対応しません。
主な仕様は、6.5インチFHDディスプレイ、Snapdragon Spatial Companion Processor (空間コンパニオンオクタコアCPU)、RAM 6GB / 8GB、ストレージ 128GB / 256GB、最大1TBのmicroSD対応。4300mAhバッテリーなど。
OSは独自の「NebulaOS」ですが、Android 14をベースにXREAL AirシリーズなどARグラス / サングラス型ディスプレイとの快適な併用を前提にカスタマイズや独自アプリを追加した内容。Google PlayやGoogleアプリに対応するため、Android用の一般的なアプリがそのまま動きます。
これまで一般的なスマホに XREAL Airシリーズなどを直挿しした場合、まずスマホの画面がそのまま(縦に小さく)ミラーリングされた状態で、あとはアプリにより動画再生などでフル画面になる挙動でした。
さらにXREALのアプリ Nebula をインストールしていれば、いわゆる空間コンピューティング的なホーム画面に複数のウィンドウを浮かべたり、スマホをリモコンやレーザーポインタ的に使うといった「メガネ」最適化機能が使えます。
XREAL Beam Proは、最初からこの Nebulaアプリが一体化されたようなもの。Google Playの一般的なAndroidスマホアプリを「空間化」して、空中に浮かべたウィンドウで操作できます。
XREAL Beam Proの価格は 6GB + 128GBモデルが3万2980円、8GB + 256GBモデルが3万9980円(Amazon)。
ARグラスのXREAL Air シリーズは、USB-Cで映像出力できるAndroidスマホやiPhone 15以降ならば直挿しでも使えますが、Beam Pro は特に接続直後の操作の面倒が少ないこと、何より他にない手軽な「ステレオカメラ端末」として魅力的です。