ロシア発「リーク」続くM4 MacBook Proは本物?仕様ラベルなど不自然な点も

ガジェット PC
Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

ウェブライター

  • X

ガジェット全般、サイエンス、宇宙、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。実績媒体Engadget日本版, Autoblog日本版, Forbes JAPAN他

特集

ここ数日、ロシアの複数のYouTubeチャンネルが、今月にも発表のうわさがあるM4 MacBook Proの実機と称する動画を相次ぎ公開しています。

M4チップ自体はiPad Proとともに発表済であり、この秋冬に次のMac発表がある可能性も、発売が近いApple製品をどこからか入手した「リーク」情報も珍しくはありません。

しかしこのロシア発「M4 MacBook Proリーク動画」には、既存製品をそのまま流用しても再現できる点、ラベルに不自然な点など、信憑性に疑問を投じる指摘も出ています。

Romancev768と名乗るユーザーがYouTube Shortに投稿した開封動画の冒頭では、パッケージの接写で、16GB RAM、512GBストレージを搭載するスペースブラックのM4 MacBook Proであることが示されます。

また箱の底面に記された仕様は、9月末にXで自称「リーク」していたパッケージ画像と同じように見えます。

Apple系の情報サイトAppleInsiderはまず、このパッケージに描かれたMacBook Proの写真が既存のM3 MacBook Proのものと同一であると指摘。

さらに、仕様を記したステッカーが現在販売中のアップル製品パッケージに添付されているものとはまったく表記の仕方が異なっており、「偽物である可能性を高めている」と述べています。

具体的には、アップルは通常、仕様表記の一番上にある長丸で囲ったスペックにはM3 chipやM4 chipなどチップセット名を示さず、その下の製品名のところに「14-inch MacBook Pro with Apple M4 Pro chip」などと、デバイス名に続く形でチップセット名を記載するからだとの指摘です。

このステッカーには法的規制など細かな情報がすべて記されており、本物であるようにも見えます。ただ、こうした文言自体は簡単に偽造や印刷ができてしまいます。

またこのステッカー部分が、今回のロシアからのリークに確認できる唯一のまったく新しい点というところも、リーク映像の信憑性に疑問符を投げかけます。

動画ではM4 MacBook Proスペースブラック実機と称するものを起動して、16GBおよびM4の記載があるシステム情報画面も映します。しかしこれも完全な形では映されておらず、スクリーンショットを加工して作った画像を表示させれば同じことができそうです。

他にも、Thunderboltポートが3つになっているところが、Thunderbolt x2 / USB-4 x1の既存のM3 MacBook Proとの相違点になっているものの、これもM3 Proチップと18GB RAMを搭載する既存のモデルを使っているとすれば説明がつくとのことです。

AppleInsiderはこのほか、自称リーク製品の型番とそのレイアウトが米国市場向けのものであり、アップルは2年ほど前からロシアと取り引きをしていないことから、発表前のMacBook Proが(正規には)ロシアに出荷される可能性が低いのではとも推測しています。

なお、これらの指摘は、あくまで既存の製品との類似点と、考えられる新製品のパッケージや製品がどうなるかを考慮したうえでのものです。そのためAppleInsiderも不自然なところを指摘するにとどめ、これが偽物だとは断定していません。

また一方で、アップルの未発表情報に詳しいBloombergのマーク・ガーマン氏は、ロシアからのリーク動画についてXで触れ「未確認情報ではあるが、かなり信憑性がありそうに見える」と述べています。

本当にこれが正規のM4 MacBook Proかどうかの答え合わせは、アップルが今月後半にも開催するとうわさされている、新製品の発表イベントを待つほかありません。

それまでには、まだまだいろいろなリーク情報が出てきそうですが、自分の予想や期待と照らし合わせつつ、発表イベントを楽しみに待ちたいところです。

《Munenori Taniguchi》

Amazon売れ筋ランキング

Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

ウェブライター

  • X

ガジェット全般、サイエンス、宇宙、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。実績媒体Engadget日本版, Autoblog日本版, Forbes JAPAN他

特集

BECOME A MEMBER

『テクノエッジ アルファ』会員募集中

最新テック・ガジェット情報コミュニティ『テクノエッジ アルファ』を開設しました。会員専用Discrodサーバ参加権やイベント招待、会員限定コンテンツなど特典多数です。