カナダに本拠地を置くパソコンソフト大手のコーレル(Corel)は9月13日、社名をアルード(Alludo)に変更すると発表しました。
▲コーレル改めアルードの新ロゴ
「未来の仕事のあり方を再構築するAlludoの理念のひとつとして、今回ブランドを変更し」「知識労働者に自由と柔軟性を与え、各々にとって最適な働き方、夢、生き方を実現させることをあらゆる面で支援する」とCEOのChrista Quarles氏はふわっとした説明をしていますが、Corelという名前はグラフィックスソフトのCorelDRAWと強く結びついているおり、WordPerfectやParallelsなどを含む現在のラインアップからすると違和感があるため、汎用性の高い新ブランドで再構築するというのは理解できます。
1985年創業のコーレルは初の製品であるベクターグラフィックスソフト「CorelDRAW」をWindows 2.1に対応させて1989年に発売。当時Windowsにはまともなグラフィックスソフトはなく、孤軍奮闘していたのがCorelDRAWです。以来、「MacにAdobe Illustratorがあるのなら、WindowsにはCorelDRAWがある」とばかりにラインアップの拡充を進め、Adobeと対抗できるだけのソフト群を買収によって獲得していきます。
▲コーレル(Alludo)の製品獲得の歴史
主力はグラフィックスソフトのPainter、Paint Shop Pro、VideoStudioにとどまらず、Microsoft Wordに支配されるまでは一世を風靡していたWordPerfectもコーレル傘下とし、さらにユーティリティソフトのWinZip、仮想化ソフトのParallelsも買収済み。現在では有名ソフトを多数揃えたパッケージソフト大手となっています。
新社名のAlludoは「all you do」「All U Do」という意味を持たせており、ユーザーをエンパワーするという大きな目的のために統一したブランドにするとしています。
▲Alludoのサブブランド
「世界的に有名なサブブランドのアイデンティティや目的を尊重する」としているので、コーレルドローがアルードドローになって呼びにくくなる事態は、当面は避けられそうです。