Adobeは10月18日(現地時間)、クリエイター向けの年次カンファレンス「Adobe Max 2022」において、サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud」のアップデートを発表しました。PhotoshopやIllustratorなどの主要アプリに、多数の機能を追加しています。
中でも、同社のAI技術であるAdobe Senseiに基づく被写体選択機能が強化され、その認識精度が向上しています。
Photoshopではデスクトップ版の「オブジェクト選択」ツールがアップデートし、空、水、地表、植物、建築物などの検出と選択がさらに向上しました。
これにより被写体と背景との分離が容易になり、人物の場合には髪の毛のディテールやエッジを保持しつつ選択が可能となっています。
また「コンテンツに応じた塗りつぶし」に新しいショートカットが導入され、オブジェクトを選択後に「Shift + Delete」で自動的に塗りつぶしを実施してくれます。
AIによるニューラルフィルターには、「写真を復元」フィルターが追加されました。これまで困難で時間のかかる作業だった古い写真のシミや破れ、色あせなどの修復がワンクリックで可能になります。
こうしたAI機能は、iPad版のPhotoshopにも導入されます。デスクトップ版ではすでに利用可能になっていた機能ですが、ワンタップでの「背景を除去」や「コンテンツに応じた塗りつぶし」が実装されます。ポートレート写真では「被写体を選択」が強化され、髪の毛やエッジの微調整などをワンタップで完了できるとしています。
このほか、AIによる被写体選択機能の強化は Lightroomにも導入されます。マスクツールではあらたに「人物の選択」「オブジェクトを選択」「背景を選択」オプションが追加。「人物の選択」では、複数人が写っている写真から1人だけを選択したり、髪の毛や目、唇、眉毛など細かなパーツを選択することもできるようになります。
「背景を選択」は名前の通りの機能ですが、従来は一旦被写体のマスクを作成し、それを反転させる必要がありました。今回のアップデートにより、直接背景を選択して背景マスクの作成が可能となります。
Adobe Creative Cloudのアップデートはすでに配信されており、サブスクリプション契約を行っているユーザーは無償でアップデートが可能です。