アップルは、EU圏内のユーザーを対象に、iOS と Safari ブラウザ、App Storeの挙動を変更することを発表しました。
25日にベータ版の提供が始まったiOS 17.4より、最初にSafariを起動した際、サードパーティ製のブラウザアプリにデフォルトブラウザを切り替えられることを案内するようになります。
サードパーティ製のブラウザアプリと言えば、ChromeやFirefox、Edgeが知られていますが、他にもBrave、Opera、DuckDuckGoなどがこれに該当します。
これらサードパーティ製のブラウザをデフォルトとして設定すれば、メッセージ、電子メール、メモなどに含まれるURLリンクをタップしたときにも、デフォルトに指定したブラウザが起動するようになります。
さらに、iOS 17.4ではサードパーティ製ブラウザに独自のレンダリングエンジンを搭載することも許可されます。これまでは、iOS上で動作するウェブブラウザはすべてアップルが開発したWebKitをレンダリングエンジンとして使用する必要がありました。
そのため、WindowsやMac、AndroidなどではGoogleのChromeブラウザはBlinkレンダリングエンジンを採用していますが、iOS版のChromeはWebKitを使っています。
このほか、アップルのApp Store 以外の経路で iOS アプリを配布可能にする際の対処についても発表しています。
「EU圏アプリのための新たな選択肢(訳注:代替マーケットプレース等)は、Appleのユーザーとデバイスに新たなリスクをもたらすことは避けられません。Appleにはそうしたリスクを排除することはできませんが、DMAの制約のなかで、リスクを軽減する手段を講じます」として、いくつかの新たな機能と取り組みを発表しています。
3月以降、iOS 17.4以上のOSで導入する施策は、
App Store 以外の代替ストア等の経路でも、マルウェア等のリスクを軽減するためのチェックを導入
App Store 以外からのインストール時に開発者や機能について表示するシートの導入
マーケットプレースデベロッパーの認証(Authorization)
iOS側の追加のマルウェア対策措置
など。
以上の変更はいずれもEUのデジタル市場法(DMA)への対応を迫られてのものであるため、EU圏内のiOSユーザーが対象となります。
アップルは25日、ストリーミングゲームやミニプログラムといったアプリ内エクスペリエンスを利用可能にする新しいオプションを導入することも発表していますが、こちらは全世界のiOSユーザーが対象となっています。