生成AIグラビアをグラビアカメラマンが作るとどうなる?第19回:ComfyUIで最新のStable Cascadeを試す+アナログ風の後処理ProPost (西川和久)

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西川和久

1962年生まれ。プログラマー、IT系ライター、カメラマン(主にグラビア)と、三足の草鞋になってもう四半世紀。

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後処理でアナログ写真っぽく=ProPost

前回標準のWorkflowにLoRAを追加してみたが、今回は画像が出来た後、つまり後処理用のNodeを追加してみたい。

好みにもよるだろうが、筆者の場合、Promptでアナログフィルム固有のノイズ(Grain)を乗せたり、モノクロ化せず、Photoshopなどを使い処理することが多い。これをNodeで対応できるのが、ご紹介するProPostだ。

機能的には、GrainとVignette。どちらも独立したNodeになっているので、Grainした後にVignetteすることも可能。

インストール方法は簡単で、Manager > Install Custom Nodes > propostで検索 > Install。ComfyUI再起動後、ウェブブラウザを再読み込み。これでOK。何も無いところでダブルクリック、propostで検索すると関連Nodeが表示される。

このProPostは、出来上がった画像の後処理用なので、デフォルトWorkflowのSave Imageの直前、VAE DecodeのIMAGEから引っ張り出して本Nodeのimageへ接続、このままだと結果が見れないので、imageへSave Image(もしくはPreview Image)を接続すれば良い。

ComfyUI標準Workflow
何も無いところでダブルクリックpropostで検索FlimGrainを選択
ProPostFlimGrainNodeが乗った
Save Imageの直前VAE DecodeのIMAGEから引っ張り出してimageに接続。IMAGEへSave Imageを追加

ここでは結果が分かりやすいようにgray_scale trueでモノクロにしたが、もちろんお好みで。Vignetteも同じパターンなので是非試して欲しい。

Stable Cascadeを使ってみる

今月2月13日、Stable社がSDXLに続くtext2image、Stable Cascadeを発表、Modelなども公開された。

技術的な話はリンク先をご覧いただきたいが、ざっくり、Stage A/B/Cと3つに分かれており、これらを使いPromptから画像を生成する。

即対応したのはやはりComfyUI。既にComfyUIの標準対応となっている。早速これを使ってStable Cascadeで画像生成してみたい。手順は以下の通り。

  1. ComfyUIを最新版にアップデートする(Manager > ComfyUI Update)

  2. 必要なModelなどをダウンロードし、所定フォルダへコピー

  3. civitaiからWorkflowをダウンロードし、ComfyUIへセット

必要なModelが全部で4本あるので面倒だが仕方ない。Modelはここの以下をダウンロード、各フォルダへコピーする。

  • stage_a.safetensors
     →[ComfyUI Home]/models/vae

  • stage_b.safetensors
     →[ComfyUI Home]/models/unet

  • stage_c.safetensors
     →[ComfyUI Home]/models/unet

  • text_encoder/model.safetensors
     →[ComfyUI Home]/models/clip

ただstage_bとcは、フルバージョンだと容量が大きく、VRAMも多く使うので、_bf16 > _lite > _lite_bf16の順で小さくなっており環境に合わせる。今回はstage_b_bf16.safetensors、stage_c_bf16.safetensorsを使用した。

Stage_BとStage_C、text_encoderはここで設定
Stage_Aはここで設定

この状態で[Queue Prompt]すると4箇所がエラーで赤くなっているはずだ。これら全てModelの設定なので所定のNodeにセットする。

もし一覧に出ない時は[Refresh]。それでも出ない時はコピーしたフォルダが間違っているので確認して欲しい。

実行するとcivitaiにあった画像と同じものが出る
Promptを少し変えると日本人美女も出る

いかがだろうか?ただSDXL初期よりましとは言え、日本人を含む東洋系美女は今一歩。今後続々出るであろうModelに期待したい。

今回締めのグラビア

今回、丁度執筆のタイミングがCP+2024中だったこともあり、扉も含めそれっぽい画像を作ってみた。が、いざ作り出すと、カメラと指が…(笑)。扉の画像は奇跡の一枚とも言える。グラビアの方は諦めてコンパニオン撮影へ切り替えた。それなりに雰囲気出ると思うが如何だろうか!?

dreamshaperXL_lightningDPMSDEを使った「CP+2024で撮ってきました!」的グラビア

使ったModelはdreamshaperXL_lightningDPMSDE。これまでdreamshaperXLは東洋系が苦手だと書いてきたが、v2.1でOKとなり、そして今回lightningと言う、LCMでもTurboでもない別の手法で高速化したものがリリースされた。

何と扉もこのグラビアも4 Steps / CFG 2 / DPM++ SDE Karrasで作っている(加えて先のProPostで気持ちGrain)。通常20 Stepsなので5倍速!これで時間のかかったSDXLも結構いいペースで生成出来る♪遅めのGPUでもストレスが減るのではないだろうか!?

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《西川和久》
西川和久

1962年生まれ。プログラマー、IT系ライター、カメラマン(主にグラビア)と、三足の草鞋になってもう四半世紀。

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