ジェフ・ベゾスの巨大ヨット、歴史的橋De Hefを解体して通る計画は棚上げ。海に出られず

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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オランダ・ロッテルダムの名所のひとつであるコーニングスハーフェン昇開橋、通称「De Hef」は、億万長者ジェフ・ベゾス氏が建造中の全長127mのスーパーヨット「Y721」を海へ移動させるために一部解体することが発表されていましたが、どうやらその解体は行われなくなった模様です。

約5億ドルをかけて建造中の巨大ヨットY721は3本のマストを備えており、その高さは約47.4 mにもなるとされます。このヨットの建造を担当する会社Oceancoは当初「これほどの規模のヨットを完成させるには、必要な道具がすべて揃っている場所でなければならない」と述べていました。そして「それができる場所は他にはほとんどない」ため、あえて海に搬出する際にDe Hefを通過しなければならないところにある造船ドックで建造し、完成の暁には船を海に出すため昇開橋を一部解体するよう、ロッテルダム市当局に申し入れたと説明。市側も雇用が期待できるとしてこれを許可したと報じられていました。

市当局は、ベゾス氏のヨット搬出が終われば、この橋が「二度と解体されることはない」と約束したものの、(オリジナルの橋が)1927年に建設された歴史的に価値ある文化財を、いくら億万長者とはいえ個人のヨットのために解体しようという決定には、反発がわき起こりました。あるFacebookユーザーは、Facebookイベントとして解体されたDe HefをY721が通過する際に、現地に集まり生卵をぶつけることを提案し、4800人が参加を表明、1万6000人が参加に興味を示すほどになりました(その後イベントは削除されています)。

すると、De Hefの解体を受け入れていたロッテルダム市長は、手のひらを返したようにこの昇開橋の解体は行われないと発言。Oceancoからの解体許可の申請も来ておらず、いまだ何も決定していないとまで述べました。橋の解体なしにベゾス氏の巨大ヨットを海に出す方法については市当局、Oceanco、そしてベゾス氏はまだ何も解決策を説明していません。

ちなみに、De Hefは2010年代に一度解体撤去されたことがあります。これは橋の改修工事のためでしたが、De Hefのような100年近くの歴史を持つ橋の解体撤去~復元は簡単ではなく工事中の事故も発生しやすいため、入念な計画が必要だとされます。

Source:New York Times
via:Interesting Engineering, Cnet

《Munenori Taniguchi》
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