Twitterは「認証マーク」を含む新しいTwitter Blue月額サービスの提供を、米中間選挙が明けた11月9日まで延期する模様です。
New York TimesがTwitterの内部メモから得た情報として伝えたところによると、Twitter Blueに関わるマネージャーが「リリースの開始を選挙後の11月9日にずらす決定を下した」とのこと。マスク氏は以前、従業員に対し11月7日までに認証マークを含むTwitter Blueを展開するよう指示したと報道されていました。
Twitterの新しい所有者イーロン・マスク氏はTwitter Blueに手を加え、登録ユーザーには広告を減らし、より長い動画の投稿を可能にするなどの変更とともに、このプランに月額7.99ドルを支払ったユーザーには青い認証マークを発行することを発表しました。
ただ、お金で認証マークが買えるようになってしまえば、フェイクと本物の見分けがさらに面倒になり、バッジそのものの信頼性が損なわれるとの懸念もあがっています。Twitterはこの前日に、iOSアプリに新しいTwitter Blue機能を含むアップデートを提供しはじめたところでした。
認証マークを有料で誰でも購入できる仕組みの危険性を指摘する声は、当の認証済みアカウントからも上がっています。実際、幾人かの著名人はこの週末、認証マークのついた自分のアカウントにイーロン・マスクのプロフィール画像やカバー画像、名前を偽装してツイートを行い、この認証マークが現状でもさほど機能していないことを示しました。
たとえばコメディアンのサラ・シルバーマン氏は上記の変更を行ったのち、民主党候補を支持する投稿をリツイートして見せました。またテレビで活躍する女優で、2020年に亡くなったギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレンの元妻としても知られるヴァレリー・バーティネリ氏も、同様に自らのTwitterアカウントをイーロン・マスクに偽装して「VoteBlueForDemocracy」「VoteBlueIn2022」など民主党への投票を呼びかけるハッシュタグを含むツイートを行い、「青いチェックマークはもはやアカウントの身元が確認されたり、詐欺師の”なりすまし”を困難にするものではありません」「あなたが誰かに関わらず、月7.99ドルで青いチェックマークが買えます」などと続けました。
なお、シルバーマン氏のアカウントにはその後「一時的に制限」がかけられているとの警告が表示され、しばらくしてプロフィールの各設定は元に戻されたとのこと。バーティネリ氏もすでにアカウントの見かけを元に戻しています。
こうした動きを受け、イーロン・マスク氏は日曜日に「Twitter名を変更すると認証マークが一時的に非表示化される」「今後パロディだと明示せずになりすましに関わったアカウントは永久追放にする」とツイートしました。暴徒による米議会襲撃を称賛したドナルド・トランプ氏の永久追放には反対のマスク氏ですが、自身をおちょくるようなユーザーを永久追放することにはあまり抵抗はないようです。
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