Adobeが、独自のジェネレーティブAIツール「Adobe Filefly」を発表しました。コマンド入力によって画像加工やさまざまな処理が可能になるこのツールはPhotoshop、Premiere ProなどCreative Cloud製品で利用可能になる予定とのこと。
その使い方を紹介する動画では、さんさんと日が照る草原の風景を、一瞬でほの暗く雪が積もった、いまにも凍えそうな景色へと変貌させたり、トイプードルのカットを変更する例を紹介しているほか、風景にある建物を別のデザインに変えたり、海底にある水中都市を書き加えたり、スケッチ状態の文字をテキストスタイルとして仕上げ、ベクター、ブラシ、テクスチャにし、それを「いかにもAIで生成しました」的な画像に変換したりしています。
Adobe Fireflyの強みは、そもそも画像や動画編集で圧倒的な人気を誇る自社のクリエイティブソフトウェア群に統合されるというところでしょう。これにより、Adobeユーザーはいつもの作業環境のなかで、シームレスにジェネレーティブAIを利用できます。
Adobeはすでに10年程前から、PhotoshopのフィルターやAcrobatのLiquid Modeといった機能に「Adobe Sensei」と呼ばれるAIシステムを導入してきましたが、 FireflyはこのSenseiの次の進化だと、Adobeは説明しています。
なお、FireflyのAIは、ストック画像サービスのAdobe Stockにあるデータセット、オープン ライセンスの作品、および著作権が切れたパブリックドメインのコンテンツを使ってトレーニングされているとのこと。
Fireflyはまずはベータ版として提供され、ユーザーはAdobeのウェブページからベータテストに参加できます。またFireflyのベータテストが終了し、正式に展開されれば、AIのトレーニングに使用されたAdobe Stockのコントリビューター向けの報酬モデルの詳細を公開するとしています。