新作『スター・ウォーズ』映画三本発表 『マンダロリアン』系やエピソード9後のレイ、ジェダイ起源描く

カルチャー Film / TV
Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

特集

スター・ウォーズの祭典 Celebration Europe 2023 で、ルーカスフィルムが『スター・ウォーズ』映画の新作企画三本を発表しました。

内容はこれまで映画で描かれなかった「ジェダイの黎明時代」を描く作品、『マンダロリアン』『ボバ・フェット』など一連のDisney+ドラマで描かれた物語を締めくくる作品、そして『スカイウォーカーの夜明け』(エピソード9)後に主人公レイがジェダイオーダーを再興する作品。

監督はそれぞれ、ジェームズ・マンゴールド、デイブ・フィローニ、シャルミーン・オベイド=チノイ。

タイトルや公開時期はいずれも未発表。

順に説明すると、

ジェームズ・マンゴールド作品

ジェームズ・マンゴールドは『フォードvsフェラーリ』『LOGAN』『ウルヴァリン:SAMURAI』『ナイト&デイ』『17歳のカルテ』『コップランド』などで知られる人気監督。ディズニー / ルーカスフィルムでは、2023年公開の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』も監督しています。

内容は従来のスター・ウォーズ作品から2万5000年前、ジェダイの起源を描く物語。スター・ウォーズのジェダイ・オーダーは、現在正典とされる作品内での表現でも古代に遡る起源があるため、どんな内容になっても驚きはありません。

かつてコミックスや小説といった外伝作では数万年にわたる銀河の歴史が描かれ、古代のジェダイやシスも多数登場しましたが、そちらはディズニーへの移管に伴い整理され、正史ではない「Legends」扱いとなっています。

一方でレジェンズ組から映像化されて正史に復活するキャラクターや設定もあり、インスピレーション程度には新作映画にも登場するかもしれません。

デイブ・フィローニ作品

デイブ・フィローニはかつて『クローン・ウォーズ』などアニメーション作品を手掛け、Disney+ではジョン・ファブローとともに『マンダロリアン』を成功させた監督・脚本家・プロデューサー。

ルーカスフィルムはスター・ウォーズ映画に外部から監督や脚本を招聘しては結局折り合わず降板されたり直前交代を繰り返していますが、フィローニはディズニーによる買収前からジョージ・ルーカスとともに諸設定や物語を作ってきました。

Disney+ドラマでは、『マンダロリアン』と同時代を描く『ボバ・フェット / The Book of Boba Fett』、2023年夏配信の『Ahsoka』も製作総指揮や脚本、監督で担当しています。

新作映画はこうした一連のシリーズの集大成となる作品。直接『マンダロリアン』映画化ではありませんが、複数のシリーズで描かれたマンダロリアン / ディン・ジャリンや老ボバ・フェット、(元)ジェダイ アソーカ・タノたちの物語の先を映画として見られることになります。

セレブレーション2023イベントで公開されたドラマシリーズ『Ahsoka』予告編では、後頭部のワンカットのみではあるもののスローン大提督とおぼしき人物が確認でき、アソーカが「スローンの帰還……帝国の後継者として」と呟く台詞もありました。

(スローン大提督は1990年代のスター・ウォーズ小説シリーズで初登場、後にアニメシリーズ『反乱者たち』で正史に返り咲いた大物悪役)

一匹狼の賞金稼ぎを主人公に始まったマンダロリアンもシーズンが進むごとに登場人物が増え、巨大な陰謀が描かれるようになっており、シリーズがクロスオーバーしたクライマックスが映画スケールになっても不思議はありません。

シャルミーン・オベイド=チノイ作品

シャルミーン・オベイド=チノイはパキスタン出身のカナダ人ジャーナリスト・映像作家。Disney+ドラマ『ミズ・マーベル』を2話監督しており、すでにディズニーのフィクション作品を手掛けたことがありますが、キャリアの多くはドキュメンタリー作品で高い評価を受けてきました。

たとえばパキスタンなどで多発する、女性の顔を硫酸等で焼く犯罪をテーマにした『Saving Face』(2012)、「名誉の殺人」をテーマにした『A Girl in the River: The Price of Forgiveness』など。(「名誉の殺人」は、求婚や性的要求を断った女性、性的被害に遭った女性、しきたりで定められた以外の相手と親密な関係になった、またはそう疑われた女性、あるいは単に異性を見た・見られた女性等を、「(男の・一族の) 名誉を傷つけた」として、多くは身内が殺害する風習。)

それはそれとして、物語は映画『スカイウォーカーの夜明け』から15年後を舞台に、続三部作の主人公レイがジェダイ・オーダーを再興する物語とされています。 レイを演じるのは映画と同じデイジー・リドリー。

これまで、正史としてはエピソード9 / スカイウォーカーの夜明けがもっとも先の時代を描いていましたが、この作品で「New Jedi Order」という新たな時代区分が公式に設定されることになります。

スター・ウォーズの新作映画としては、これまでも多数の有名監督がそれぞれの企画を発表してきました。正式にキャンセルされたものもあれば、立ち消えになったもの、音沙汰がないものも多く、今回の三本とどちらが先に公開されるのか、どの順序になるのかも明確ではありません。


名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち (朝日選書)
¥3,281
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《Ittousai》
Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

特集

BECOME A MEMBER

『テクノエッジ アルファ』会員募集中

最新テック・ガジェット情報コミュニティ『テクノエッジ アルファ』を開設しました。会員専用Discrodサーバ参加権やイベント招待、会員限定コンテンツなど特典多数です。