OpenAIのパーソナルAIを着る『Humane Ai Pin』正式発表 レーザープロジェクタで手のひらに映すバッジ型ウェアラブル

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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数年前からステルスモードで活動してきた米国のスタートアップ Humane が、初の製品となる『Ai Pin』を正式に公開しました。

Ai Pinは服にクリップする小さなピンバッジ型に、広角カメラ・デプスセンサ・マイクアレイ・LTE接続・レーザープロジェクタ・各種センサとSnapdragon SoCを搭載したデバイス。

OpenAIおよびマイクロソフトとパートナーシップを結んでおり、SnapdragonのローカルAIエンジンとクラウド上のAIサービスを介して動作します。

自然な会話でメッセージのやり取りや通話・メール、スケジュールの確認、自分の声で外国語を喋る同時通訳、道案内、調べ物といった日常のタスクを、スマートフォンを取り出して操作することなく完了できることが大きな特徴。

カメラと奥行きセンサを搭載することで、ハンズフリーで動画や写真が撮影できることに加えて、眼の前にあるものを解析して質問に答える機能も搭載します (手に持った食品の成分を訊き、設定した一日の栄養目標から食べても大丈夫か確認するなど)。

スマートフォンと接続して動作するアクセサリではなく、クラウドサービスを本体にピンだけのスタンドアロンで動作します。

ユニークなのは、レーザープロジェクタを内蔵して手のひらなど近い距離の表面をディスプレイにできること。

Siri などの音声アシスタントは便利な一方、一次元的な読み上げでは埒が明かないタイプの情報や、長い内容をさっとブラウズしたい場合もありますが、Ai Pinは単色のレーザー投影で手のひらをディスプレイにしてさっと確認ができます。

カメラとデプスセンサを使うことで、プロジェクションで画面にした手を傾ける、指をあわせるといったジェスチャを使い片手だけでスクロールやタップの操作も可能です。

個々の要素としては、カメラを使った画像解析や会話による操作、通訳などを含めてスマートフォンのアプリを通じていまでも可能なことですが、Ai Pin はすべての操作にAIが介在することで、会話やジェスチャを通じた操作に最適化されていることが特徴。

たとえば着信や新着メッセージ、メール等は、個々のアプリについていちいち履歴やインボックスを尋ねたりブラウズすることなく、catch me up のキーワードひとつですべての連絡から相手・内容・時間や場所・返信の要不要などに応じて重要なものを先にまとめて、秘書のように伝えてくれます。

写真や動画の撮影も声やジェスチャで開始でき、スマートフォンを手に持ってかざして画面を覗くことなく、自然に振る舞いながら瞬間を保存できます。

会話や口述筆記したメモ、撮影した動画や写真は、スマホやPCなど任意のブラウザで「Humane. center」からアクセスでき、ライフログ的に振り返りが可能。こちらもAIを使い、見るべきものから優先してまとめてくれます。

Humaneは米国T-Mobileのネットワークを使った独自のMVNOを立ち上げており、通信まですべてオールインワンのサービスの一部として Ai Pin を提供します。

価格は Ai Pin本体と、磁石で服などを挟んでクリップする非接触追加バッテリー「バッテリーブースター」2つ等がセットで699ドルから。毎月の利用料は無制限の通話やデータ通信等を含んで24ドル。

米国では11月16日より購入できます。

いわゆる「スマホの次のコンピューティングプラットフォーム」としては、目と耳に近いメガネ型やゴーグル型のウェアラブル端末、スマートグラス等も提案されてきましたが、Ai Pin はメガネよりもさり気なく、AIの眼と耳を日常に溶け込ませるデバイスとして今後が楽しみな方向性です。

《Ittousai》
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