アップルが次期iPad Proに有機ELディスプレイを搭載し、2024年春(ないし3月末頃)に発表する可能性が高いことは、これまでも繰り返しお伝えしてきました。
その一方で最新のMacと同じM3チップを採用しつつ、大型かつ先端技術を採用した有機ELパネルの製造コストは非常に高価になるため、iPad Pro本体も高額になると予想されてきました。
具体的には、11インチ後継モデルが1500ドル(約22万円)~、13インチ=12.9インチ後継機が1800ドル(約26万6000円)~前後になるだろうと、過去にAppleの未発表製品情報で実績ある著名リーカーや韓国のサプライチェーン情報誌が主張してきました。いずれも、約50~70%もの値上げとなる試算です。
しかし、台湾の電子業界誌DigiTimesは、どちらも従来モデルより160ドル(約2万3000円)ほど割高になるだけだと予想しています。
最新記事では「アップルがiPad Proの全モデルにM3チップと有機ELパネルを採用する場合、全般的に価格は160ドルも上がる可能性があり、売上に影響を与えるかもしれません」と述べています(9to5Mac経由)。
新型iPad Proの発売が間近に迫っている可能性は、次々と届けられるサプライチェーン情報とも一致しています。
まず韓国メディアのThe Korean Heraldは、現地メーカーが次期iPad Pro向け有機ELパネル生産を2月に始めると主張。同じく韓国のThe Elecも先月、サムスンディスプレイやLGディスプレイが有機ELパネル関連パーツの生産を始めており、製品は4月に出荷されると報じていました。
しかし、先月末には香港の調査会社Trendforceが、韓国メディアAju Korea Dailyの記事を引用し、アップルがiPad Pro向け有機ELパネルの発注を30%も減らしたと報道。
新型iPad Proの価格が従来モデルよりも高くなる可能性が高いとして「初期受注の減少は、製品発売の初期段階における需要に対する慎重な見通しによるものではないか」との業界の推測を伝えていました。
確かに値上げは避けられないものの、2万円強であれば今までの予想よりも控えめであり、手の届かない高嶺の花にはならないでしょう。今回のDigiTimes報道が正確であるよう期待したいところです。