英国で、オンラインで女性にわいせつ画像を送りつける「サイバー露出」行為で逮捕された変態男に、オンライン安全法施行後初となる実刑判決が言い渡されました。
サイバー露出とは、SNSやスマートフォンの機能などを利用してわいせつな画像を無関係の人物に送りつける変態行為のこと。英国ではオンライン安全法により、1月31日よりイングランドおよびウェールズでサイバー露出行為が違法化されています。
そして、2月上旬にWhatsAppを通じて15歳の少女ともうひとりの女性に自身の性器の写真を送ったニコラス・ホークスは、女性がその画像のスクリーンショットを保存して警察に通報したことで逮捕されました。英国の制度ではサイバー露出被害者は警察に届け出をしたあと、性犯罪法の下で永久に匿名として扱われます。
ホークスはこの2件のサイバー露出行為の罪状を認め、今週火曜日の判決まで拘留されていました。
またホークスには昨年、16歳未満の子供に対する露出行為と、性行為を迫って有罪判決になっており、コミュニティオーダーと呼ばれる緩い刑罰を受けてていました。
今回の犯行により、コミュニティオーダーの遵守事項にも違反したことで、今回の判決にはさらに実刑期間が追加されることとなりました。
イングランド東部CPSの首席検事ハンナ・フォン・ダーデルセン氏は「サイバー露出は、被害者に長く尾を引くような影響を残す重大犯罪ですが、無思慮な「冗談」や無害名悪ふざけとして片付けられることがあまりにも多い」と声明で述べ「物理的な世界でわいせつ行為を犯した者が、その結果に直面することになるのと同様に、オンラインで罪を犯した者も、その結果に直面する必要があります。 スクリーンの後ろに隠れても、法律から逃れることはできません」とコメントしました。
ちなみにスコットランドでは2010年に、北アイルランドでも2023年にサイバー露出行為は違法化されています。
また、2019年にはシンガポールで同様の法律が施行されており、米国でもカリフォルニア州、バージニア州、テキサス州などがサイバー露出を違法化すべく取り組んでいます。
日本では、わいせつ画像を不特定数の相手に送りつけるような行為は「わいせつ物頒布罪」に該当し、2年以下の懲役または250万円以下の罰金または懲役刑などが適用されます。1対1のやり取りでは該当する罪状がありませんが、自治体によっては迷惑防止条例などに該当項目を含む場合があります。