12月9日、米連邦取引委員会(FTC)人気ゲーム『フォートナイト』の開発元Epic Gamesに対し、同ゲームのプレイヤー約63万人へ総額7200万ドル以上を返金するよう命じました。
これは2022年にEpic Gamesがゲーム内でプレイヤーを意図しない課金手続きに誘導し、支払いをさせる「ダークパターン」手法で、プレイヤー(主に未成年)が保護者の関与なしに不正な請求を重ねさせられたとされることに対する制裁措置の一環です。
FTCは当時「フォートナイトの、直感に反し、一貫性がなく、わかりにくいボタン構成によって、あらゆる年齢のプレーヤーがボタンをひとつで不要な請求を被ることになった」と主張しています。
具体的には、ゲームをスリープモードから復帰したとき、ゲームがロード画面にあるとき、または課金アイテムの内容を確認するためプレビューしようとたときなどに、プレイヤーが間違えやすい位置に配置されたボタンに触れてしまい、即時に課金請求される可能性があったとのこと。また一部ユーザーからは、これを不正な請求だとして異議を唱えたところ、Epic Gamesから購入したコンテンツにアクセスできないようにブロックされたとも申し立てられていました。
この問題ではEpic Gamesが子どもの個人情報を保護者の同意を得ず収集していたことも、米国における児童オンラインプライバシー保護法にあたるCOPPAに抵触していることが認定されています。
こうした問題について、FTCはEpic Gamesに5億2000万ドルの制裁金を科し、さらにダークパターンのようなトリックの仕様を中止し、課金手続きにおいて積極的な同意をプレイヤーから得ることを求めました。また、ゲーム内アイテムやサービスの支払い後に異議を唱えたプレイヤーのアカウントをEpic側がブロックすることも禁止しています。
FTCは9日時点で被害申請が認められた62万9344件に対してPayPalまたは小切手による支払いを行い、1プレイヤーあたりの平均支払額は約114ドル(約1万7000円)になるとしています。今回の7200万ドル以上の返金は、和解による最初の返金プロセスであり、FTCは後日さらに残ったプレイヤーへの支払いを行うとしています。
ちなみに、フォートナイトは12月11日(米国時間)に新ゲームモード「バリスティック」を早期アクセス版として開始予定ですが、これが人気のチーム対戦FPSゲーム『Valorant』にそっくりだとして話題になっています。バリスティックでは、基本的にフォートナイトが三人称視点のゲームであることに反し、一人称視点を採用しているところも大きな特徴となっています。また、フォートナイトは11月に、Unreal Editor for Fortnite(UEFN)およびクリエイティブの実験的機能として一人称視点カメラモードを利用可能にするとアナウンスしています。こちらの提供開始も12月11日(米国時間)となっています。