ASUSが軽量のARM Windows 11ノート『ASUS Zenbook SORA』UX3407シリーズを発表しました。Zenbook SORAは日本市場に向けた製品として、国内のユーザーが重視する軽さ・薄さ・駆動時間の長さを重視して開発したモデル。
■ サブ1kg で長時間駆動のARM Windowsノート
最大の特徴は、14インチ画面と「最長23時間」駆動バッテリーを備えながら899gと軽いこと(3407QA)。「最長29時間」駆動の上位版3407RAでも980gと、どちらも「サブ1kg」カテゴリの製品です。
ASUSが開発した新素材『セラルミナム』(Ceralminum)を天板・底面・キーボード面に採用しており、軽さに加えて硬い石のような落ち着いた質感とサラサラした手触り、高い耐衝撃性・耐摩耗性、指紋や汚れのつきにくさも特徴です。
中身はQualcommのWindowsノートPC向けプロセッサ Snapdragon X / X Elite を採用。NPUは45 TOPSのAI処理性能を備え、ローカル処理で画像・文章生成やリアルタイム翻訳、ビデオ通話の背景削除やノイズ除去など、様々なAI機能・アプリが使える『Copilot+ PC』でもあります。
■ 主な仕様。高いマルチコア性能のSnapdragon X採用、NPU 45TOPSの『Copilot+ PC』
Zenbook SORA には UX3407QA と上位版 UX3407RAがあります。主な違いは、上位版のUX3407RAは処理速度が速くRAMが多い(Snapdragon X1 Elite, 32GB)、1TB SSDも選べる、バッテリー駆動時間が長い(最長29時間)など。
共通仕様は、いわゆる13.3型クラスの本体に14インチ1920 x 1200 (16:10) の狭額縁ディスプレイ(画面占有率 約90%)、最薄部 13.4mm、USB4 (USB-C) x2に加えてType-AのUSB端子、HDMI出力にヘッドホン端子を備えることなど。『セラルミナム』素材はどちらも天板・底面・キーボード面に採用します。
(画像:2種のカラバリのひとつ『ザブリスキーベージュ』)
Zenbook SORA UX3407QA
14インチ1920 x 1200 液晶ディスプレイ、Snapdragon Xプロセッサ (X1-26-100 / 8コア最大2.97GHz)、16GB RAM、512GB SSD (PCIe 4.0 x4 NVMe M.2)。インターフェース類は207万画素カメラ(赤外線顔認証対応)、USB4 (USB-C、PD対応) x2、USB 3.2 (Type-A / Gen 2) x1、HDMI、ヘッドホン端子、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3。
バッテリーは48Wh、動画再生で最大約23時間、JEITA 3.0測定で動画再生約16.2時間・アイドル約20.7時間。本体寸法・重さは310.7 x 213.9 x 13.4 - 15.9mm、約899g
Zenbook SORA UX3407RA
14インチ1920 x 1200 有機ELディスプレイ、Snapdragon X Elite プロセッサ(X1E-78-100 / 12コア最大3.4GHz)、32GB RAM、512GB / 1TB SSD (PCIe 4.0 x4 NVMe M.2)。インターフェース類はUSB4 (USB-C、PD対応) x2、USB 3.2 (Type-A / Gen 2) x1、HDMI、ヘッドホン端子、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4。
バッテリーは70Wh、動画再生で最大約29時間。本体寸法・重さは310.7 x 213.9 x 13.4 - 15.9mm、約980g
■ 新素材『セラルミナム』は石のようなサラサラ質感
ASUSが軽さと並んで推すのは、独自に開発したハイテクセラミック新素材『セラルミナム』を全体に採用すること。セラルミナム (Ceralminum) はセラミックとアルミニウムの合成語で、アルミの表面に高温・高電圧で酸化アルミニウムの層を生成した素材。
(画像:「アイスランドグレー」モデル、背面ASUSロゴ部分拡大。滑らかだが微細なテクスチャがある)
構造材としてはアルミですが、コーティングや従来の酸化皮膜処理とは違いセラミック層に厚みがあり、アルミと化学結合しているため剥がれないこと、硬く傷や摩耗に強い、指紋や汚れがつきにくく拭き取りやすいといった特徴があります。
実際に見て触ってみると、非常に細かいテクスチャといいサラサラした手触りといい、まるで滑らかな石のよう。
ASUSの歴代 Zenbook は光の角度で表情が変わるスピン仕上げのアルミであったり、アノダイズで鮮やかな色を表現したモデル、あるいは竹素材など様々な試みを続けてきましたが、2024年から採用が始まったセラルミナム素材、なかでも新機種SORAのミニマルで落ち着いた石のような佇まいはまさに「禅」のイメージです。
■ 価格は17万9800円から。1万円~2万円相当のデジタルギフトキャンペーンも
価格は899gのUX3407QA(16GB/512GBのみ)が17万9800円から、980gの上位モデルUX3407RAは512GBモデル21万4800円、1TBモデル22万4800円。
Microsoft 365 Basicの1年間使用権と、Office 2024が付属するSKUも別に用意します。そちらはQAが20万9800円、RA(512GB)が26万9800円。
発売は2月5日。発売を記念して、期間中の購入と応募で1万円相当、学生は2万円相当のデジタルギフトが貰えるキャンペーンも実施します。
小さな画像では目立たないグレーのノートにしか見えませんが、実物の不思議な質感や手触り、持ち上げて裏切られる軽さは店頭で体験してほしい驚きがあります。
ARM版Windowsはマイクロソフトが長年にわたって攻めあぐねた分野で、アーリーアダプター勢にはSurface RT / Windows RTなど見えている地雷に飛び乗って無事爆死したかたもいらっしゃると思いますが、ここ最近のSnapdragon Windows ノートは特にマルチコア性能と処理効率で非常に優秀になり、ソフトウェアのARM対応 / 互換動作も着々と改善しつつあります。
(画像:そのままでは動かない『Armored Core VI』も、アンチチート無効化のオフラインシングルプレイならちゃんと遊べます)
とはいえまだすべてのアプリが問題なく動くわけではなく、ARM版Windowsではパフォーマンスが落ちるアプリもあります (たとえば一部のゲームはARM非対応のアンチチートを無効化しないと動かないとか)。個人のワークフロー的にx86ソフトウェア資産が欠かせない、Windows PCは一台しか持たないので互換性優先という場合は手放しで勧められるわけではなく、ゲーミング向きのPCでもありません。
一方、各社のアプリやWindows標準機能でNPUの活用が進んできたことで、従来のPCよりも低消費電力でこなせる得意タスクも増えてきました。たとえば、ビデオ通話時の背景置き換えや目線補正、ノイズ除去、Windows Studio Effect、リアルタイム翻訳などはローカルNPUが力を発揮する部分。最近は標準のペイントにまで生成AIボタンがあり、いわゆる消しゴムマジックの上位版にあたる機能や背景除去といった機能も使えます。
MacBook Air相当の持ち歩くWindowsノートとして、またWindowsの「画面全録・AI検索」機能のRecallなど、マイクロソフトや各社が力を入れるAI機能をいち早く試したい場合には有力な選択肢です。とりあえず店頭で撫で擦ってみて!
(画像:Snapdragon X Eliteロゴシール。タッチパッドのガイドは保護シートの印刷)