『Formula 1: 栄光のグランプリ』で米国にF1ブームを巻き起こしたNetflixが、2026年以降のF1テレビ放映権を獲得すべく、入札の準備をしている模様です。
現在、自動車レースの最高峰であるF1世界選手権レースのテレビ中継は、米国ではESPNが放映権を持っており、独占的に放送を行っています。しかし、その権利は2025年末までとなっており、2026年以降の放映権については今年のうちに入札が行われる予定です。
F1の放映権料は毎年値上げされる仕組みになっており、ESPNが最初に放映権を取得した2018年には年間500万ドルだったところが、現在では年間9000万ドルにまで膨張しています。とはいえ、これはメジャーなスポーツの独占放映権としてはそれほど高いというわけでもありません。たとえば、全米プロアメリカンフットボール(NFL)に米Amazonが支払っている放映権料は、年間約10億ドルとされています。
ESPNは現在手にしている放映権を維持したい考えであるようで、昨年末には、放映権を管理するFormula One Management(FOM)との間で2026年以降への権利延長について協議したことが報じられていました。
一方、英The Timesが報じたところによると、Netflixがこの放映権の獲得に関して準備中であるとのことです。Netflixは今年シーズン7に突入するF1ドキュメンタリー『Formula 1: 栄光のグランプリ』で米国にF1ブームを巻き起こしているほか、近年スポーツのライブ配信を増やしており、昨年11月にはボクシングの『ジェイク・ポールvsマイク・タイソン』のライブ配信も大成功させています。さらには、2027年と2031年の女子サッカーW杯の放映権も取得済みです。
そしてNetflixは最近、ESPNのプロダクション担当副社長だったケイト・ジャクソン氏を引き抜いて、新たにスポーツ担当ディレクターに据え、F1放映権の入札に向けて足場を固めつつあるように見えます。
ただ、F1の放映権獲得には、アップルやAmazonも興味を持っているとのうわさが以前に報じられています。特にアップルは今年、ブラッド・ピット主演の映画『F1』を劇場公開する予定であり、Apple TV+でも近年スポーツ中継に力を入れていることから、ひょっとすると入札に参加する可能性もあるかもしれず、今後の各社の動向がきになるところです。
ちなみに日本では、F1のテレビ放送は1980年代後半以降、長らくフジテレビが独占的に担ってきました。2016年からは、スポーツ専門のネット動画配信サービスであるDAZNもF1のライブ配信を開始しています。ただ、両社とも現在の契約は2025年までとなっており、2026年以降についてはまだ決まっていません。
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