ポイントクラウドの夢世界を彷徨うPS5『Dreams of Another』が超楽しみ。PixelJunk EdenのアーティストBaiyon新作

ゲーム Sony
Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

特集

PlayStationの情報配信番組『State of Play』で、京都のゲームスタジオ Q-Games が新作『Dreams of Another』を発表しました。

ディレクターは『PixelJunk Eden』シリーズでも知られるアーティスト Baiyon。今作『Dreams of Another』は……と続ける前に、とにかくこの独特すぎる予告編映像をどうぞ。

■ ポイントクラウド(点群)で描かれる夢の世界

(動画:Dreams of Another アナウンスメントトレーラー)

縮小画像では単にテクスチャが粗いだけの、むしろ最近ありがちなローポリゴンやピクセライズ表現に見えるかもしれませんが、動く映像を見るとすぐに何かがおかしいことに気づきます。

キャラクターや地形は線や面ではなく、輪郭のはっきりしない点の集合で描かれた点描画のよう。

プレーヤーがレンズフレアや泡のように曖昧な領域を撃つことで、新たな点が集合し、形が定まってゆくようです。

Q-Gamesによれば、Dreams of Another は「破壊なくして創造はない」をテーマに、「『撃つ』ことで抽象化している散らばった世界を具体化して創造する」探索型アクションゲーム(なんて??)。

舞台となる夢の世界は、一般的なゲームエンジンとは異なるポイントクラウド(点群)ベースで描かれています。

■ 企画・ビジュアル・オーディオ・シナリオ担当。Baiyon独演会

独特のゲームエンジン、撃って壊すのではなくカタチを与えるシューターという、どう進めるのか全然分からないシステムだけでも興味津々ですが、技術を別にしても、淡い色使いの幻想的な世界に光と影が弾けるアニメーション、楽器も定かではない音や囁き声を使った不思議なサウンドトラックも実に独特。

State of Play でディレクターのアーティスト Baiyon 氏が語ったところによると、『Dreams of Another』はディレクションのみならず企画・シナリオ・ビジュアル・すべての作曲まで同氏が手掛けた作品。

Baiyon氏は京都の職人集団的ゲーム開発会社 Q-Games に在籍するマルチなアーティストで、同社では非常にユニークなビジュアル・オーディオが高く評価されたアクションゲーム PixelJunk Eden シリーズを手掛けています。

PixelJunk Eden は、ツタのような植物が茂る世界『ガーデン』を舞台に、ワイヤーアクションで飛び回る何だかよくわからない生物『グリンプ』を操り、花粉のような粒子「ポレン」を集めて植物を育てる2Dアクションゲーム。

文章で説明してもまるで伝わる気がしませんが、ゲームとしては実にミニマルでシンプルな、狙って飛ぶアクションの根源的な快楽と、トリッピーなビジュアル・音楽が相乗効果でキマるリプレイ性の高い作品でした。(いまも Nintendo Switch / PS / Steamで遊べます)

(画像:Dreams of Another のPS5 Pro Enhanced対応)

従来シリーズのファンにとっては、あの繊細な色と音の世界に没入できる体験が、今回はPS5世代の独自技術と新鮮な表現で登場するのは実に嬉しいニュース。

さらにはPS5 Proならば映像が強化される「Enhanced」 や、点群の世界に没入するPS VR2(!)にまで対応します。

■ 新作は「パジャマの男」「彷徨う軍人」を中心に進むナラティブドリブン

PS3の初代PixelJunk Edenに「何だこの変なゲーム??」と夢中になった筆者としては、新作『Dreams of Another』は台詞で説明される物語がある作品で、シナリオもBaiyon氏が手掛ける点に特に注目しています。

従来作では会話を通じて筋を追うことはほぼありませんでしたが、PixelJunk Eden 2 ではステージ中に配置されたキャラクターを集める要素があり、それぞれに(いちおう)台詞がありました。

(画像:PixelJunk Eden 2に登場した奇妙な「グリンプ」たち)

だから何だ

台詞があるといっても、そもそも社会生活があるのかも謎の変な生き物(?)であるグリンプたちが、生活でふと気になったことや思い出、アーティストあるあるなどを唐突に一人語りするだけの私ポエムが主。

会話が進むでも明確な筋があるでもないのですが、トリッピーなーゲーム本編でキマった頭に唐突に投げかけられるためか、妙に癖になる味があります。

グリンプの唐突な語り。この「父親」が登場したり、Divaなるキャラクターの物語が特に進展するわけでもなく、独り言が不意に表示されます

新作『Dreams of Another』に話を戻せば、トレーラーでロケランをぶっ放したりしている「パジャマの男」と、途中で出会うような描写がある「彷徨う軍人」という中心的キャラクターがおり、様々な登場人物やモノと会話(??)しながら進むストーリーになるとのこと。

「探索型アクション」と、会話や物語の要素がどう噛み合うのか、物語はどう進行するのか、リプレイ性は……と気になることばかりですが、やはり目と耳を奪われアクションに没頭した特殊な状態で言葉が届くゲームにおける物語は、他のどのメディアとも違った体験です。PS5にまたひとつ楽しみな作品が増えました。

『Dreams of Another』は2025年発売予定。発売日や価格等は未発表ですが、すでにストアページはあり、ウィッシュリストに追加できるようになっています。

Dreams of Another (PS Store)

(画像:PixelJunk Eden 2 キャラクターの唐突なアーティスト語り)


PlayStation 5 Pro(CFI-7000B01)
¥119,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

PlayStation VR2 (PSVR2) ホワイト。
¥71,280
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《Ittousai》

Amazon売れ筋ランキング

Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

特集

BECOME A MEMBER

『テクノエッジ アルファ』会員募集中

最新テック・ガジェット情報コミュニティ『テクノエッジ アルファ』を開設しました。会員専用Discrodサーバ参加権やイベント招待、会員限定コンテンツなど特典多数です。