Adobe Fireflyが大幅強化、GoogleやOpenAI・Flux他の生成AIモデルも統合。モバイルアプリも近日提供

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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ロンドンで開催中のイベント Adobe MAX London 2025で、アドビがクリエイティブAIソリューション Firefly の最新アップデートを披露しました。

生成品質や制御性がさらに向上した画像生成モデルの最新版 Firefly Image Model 4, Firefly Image Model 4 Ultra、動画生成モデル Firefly Video Model が本日より一般提供されるほか、GoogleやOpenAI、Fluxなど他社のモデルもFireflyなかで選択可能になり、ワークフローによってモデルを選んで利用できるようになりました。

新機能としては、ムードボードの「Fireflyボード」が新たに追加。アイデア出しやバリエーション検討といった用途のために、複数人でコラボレーションしつつ生成結果を貼り付け、かけ合わせるといったことが可能になります。

また従来のWeb版に加えて、iOS / Android対応のモバイルアプリ版も近日中に提供予定。Creative Cloudのアプリ群と統合されており、外出中に得たインスピレーションをモバイル版で生成、有望なものを帰宅後デスクトップで引き継ぐといったことができます。

Firefly Image Model 4 / Ultra

Image Model 4 は、パブリックドメインやライセンスされた素材からトレーニングしたAdobe独自の画像生成AIモデル最新版。

Image Model 4 は、従来のImage Model 3 からプロンプトの忠実度や生成品質が向上。シンプルなイラストやアイコン、基本的な写真オブジェクト生成向けに、「90%の一般的なクリエイティブ要件を高速かつ低コストでカバー」するモデルと説明しています。

Image Model 4 Ultra は、フォトリアルなシーンや人物ポートレート、数人のグループ写真など、「クリアなディテールが肝となるような、高度で複雑なプロジェクト」向け。アイデア出し用途にとどまらず、納品向けの品質まで生成できると表現しています。

Firefly は課金して得た生成クレジットを消費して生成する仕組みのため、当然 Ultra のほうが実際に生成する際の費用が高くなります。

Fireflyボード

Fireflyボードは、以前Project Concept として公開されていたアプリ。無限の広さのボードにコンセプト画像や生成結果を並べてゆき、グループ化したりかけ合わせたり、ボード上で直接、既存のアイテムから新規の作成も可能です。

用途は複数人でアイデア出しするムードボード、話の展開を並べるストーリーボード、関係者と打ち合わせする際にさまざまなコンテンツを一覧して、あるいは新規に生成して磨いてゆくブレーンストーミング用ボードなど。

Fireflyボードは、Web版Fireflyの一部としてパブリックベータ版を提供します。

他社製モデルの統合

Firefly独自モデルに加えて、Google Imagen3、動画のVeo2、OpenAI GPT Image generation、Flux1.1 Proが選択可能になりました。さらに今後数か月のうちに、Fal.ai 、Runway、Pika, Luma, Ideogram などにも対応予定。

Adobeによると、こうしたモデルの利用はFireflyの有料プランに含まれるため、個別にそれぞれのサービスと契約を結ぶ必要はありません。

こうした他社モデルはFireflyだけでなく、Creative Cloudのほかアプリからも直接呼び出して利用可能になる見込み。

他社製モデルとFireflyの「安全」は?

Adobe は Fireflyについて、パブリックドメインやAdobe Stockなどライセンスを得た素材からのみトレーニングしているため商用利用が「安全」であるとアピールしてきました。

そうでないほかのモデルが具体的にどう危険なのかはさておき、クライアント向け広告等ではそうしたニーズがあるのもたしか。

他社製のモデルを組み込むことでこの「Firefly独自モデルならば安心安全」はどうなるのかといえば、生成AI以前からAdobeが力を入れるコンテンツクレデンシャルの仕組みによって、生成したコンテンツにはどのモデルを利用して生成したのか情報が添付され、クリエーターを辿れるようになります。

制作の過程についても、使用したモデルのアイコンが表示されるなど、Adobe以外に切り替えた場合も常に把握できる仕組みと説明しています。

《Ittousai》

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