テクノエッジ、スタートおめでとうございます。
いろいろありましたね、ここまで。
Engadget 日本版時代からよく知る方々がスタートする媒体ということで、私ももちろん注目しております。
一人の読者としても期待しておりますが、原稿執筆のご依頼もお待ちしております。できるだけ、高い原稿料でお願いできれば。(揉み手)
まあ、そういう話はともかくとして、「テックメディア」にとって今はなかなか大変な時期でしょう。この際だから、そのあたりについてちょっと思うところを書いてみたいと思います。(多分、今後寄稿する記事は「だ・である」になりますが、この原稿のみ「です・ます」でお送りします)
ウェブメディアも「変わった」20年
「難しい話は読まれないんだよね」
「長い記事は離脱があるから」
まあ、確かにそうなんです。
みんながそういう記事を求めている訳でもないし、記事を誰が書いているかを確認する人も多いわけじゃない。
SNSやニュースアグリゲーター(要はYahoo! JAPANやNewsPicks)から記事を読む人が増えて、その記事がどのウェブ媒体に載ったものかを意識する人も減りました。「ヤフーに載ってたんだけど」って言われると、ちょっと微妙な気分になるのは事実。さらには、YouTubeの動画でOK、という人も増えてきています。
また、書き手や動画の作り手の中には、「作ることそのもの」に誠実な人もいれば、「儲かること」「楽なこと」に誠実な人もいます。ガッツリ自分で調べた上で書く・作る人もいれば、そうでない人もいます。写真や動画をパクって作っても、なにも感じない人もいます。
でも、そんなことはもうこの20年くらい、あたりまえのことで、別に珍しくもなんともないわけです。それを止める方法も当面ありません。
紙にプラスして始まったウェブメディアは、20年で性質を変え、紙とは全然違う使い方・読まれ方をする存在になっていきました。媒体に合わせて生活が変わり、生活に合わせてまたメディアが変化してきた歴史と言えるでしょう。
エッジはいつのまにか点群になる
じゃあここから20年でなにが起きるのか?
メディアがリッチコンテンツばっかりになるか……というと、そんなことはなさそうです。
2000年頃、ネットコンテンツに動画が入れられるようになってくると、「テキストの時代は終わる」という意見もありました。電子書籍が立ち上がる時には、「紙では絶対にできない、動的な書籍や雑誌が増えていく」と思われていました。
ですが、実際には違ったのはみなさんもご存知の通り。
ポイントは「生産のコストとスピード」です。
今のウェブだったらいくらでも動的なコンテンツは作れるし、ガンガン高品質な動画を増やせるか、というとそうでもありません。結局それらを作るにはコストがかかり、一定の時間がかかるからです。
コストとスピードと品質のバランスはなかなか崩れなくて、ゆっくりと変わっていく世界かと思っています。
だから当面、「ウェブに文章を書く仕事」はなくならないと思います。結局「ほかに書いてないことが書いてある」からそのメディアを読んでくれるわけですし、いかにそういうものを作るか、がポイントでしょう。
一番わかりやすいのは「先頭を追及すること」。当然ですね。
一方で、最後尾だとしても「他に書いてないこと」かな、とは考えています。「そうか、最後にバスに乗った人はそう考えてたのか」というのも、楽しくてためになる話かと思います。
要は「エッジってたぶんどこにでもある」んです。技術領域に限っても、前から斜めからやりようは色々あるはずです。
ライターとして、いろんな特徴点を見つけようと思ってますが、なかなか視野に入らないものもあります。そういう、私が見つけない特徴点を他の人の記事から見つけることも、また楽しいものです。
尖った特徴、色が違う特徴は検出もしやすくて最高です。いつの間にか、テクノエッジが「点群」になっていて、その中のいくつかを(ギャランティと引き換えに)担当させていただけばな、とは思っております。
Ittousaiさんをはじめとした編集部の皆様、今後ともご贔屓に。
読者の皆様におかれましても、新しいメディアが「PV出ずに内容だけパクられて終わる」ことがないよう、支えていただければ幸いです