アンカー・ジャパンが7月26日に発表した充電機器の新製品群。その中でも、最新仕様への対応という点で注目されるのが、最大140W(USB PD EPR対応)の2モデル、そして今冬発売が予告された1モデルです。
USB PD EPRとは、USB PDの仕様を拡張し、1台の機器に対して最大240Wまでの供給を可能とする拡張仕様。対応製品メーカーの間では、これが含まれるUSB PD仕様として『USB PD 3.1』と呼ばれることが多くなっています。
この仕様で規定された最大240Wは、対応する機器がまだ存在しない状況ですが、今回の製品が対応する140Wは、アップルがMacBook Pro 16インチ(2021)の標準ACアダプタで採用したことから、サードパーティ製ACアダプタでもいくつかの製品が発売されつつある状況。
そこに今回、アンカーがいち早く参入してきたという構図です。
ここではアンカー新モデルのうち、これらUSB PD EPR対応ACアダプタについて紹介します。なお、モバイルバッテリーと、コンパクトモデルに関しては、別記事で紹介しています。
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今回製品として発表されたのは、USB-C×3+USB-A×1構成で総合出力150Wのモデルと、単一ポートで140Wのシンプルモデル。さらに2002年冬ごろの発売として、端子がC3A1構成で合計出力240Wという最高出力モデルの予告もなされました。
ノートPC複数でも急速充電、Anker 747 Charger
今回発表されたモデルの主力となりそうなのが、『Anker 747 Charger』(GaNPrime 150W)です。3C1Aという使い勝手の良いポート数で、総合最大出力150W。単一機器にはもちろん最大140Wが供給可能なバランスに優れたモデルです。
販売価格は1万4990円(税込)。一般販売開始は9月中旬の予定です。
端子構成は、USB-C×3+USB-A×1の「C3A1」仕様。同シリーズの120W版まではC2A1だったため、総合出力の高さ(と本体の大きさ)を活かして、USB-Cを増やした仕様です。
さらにGaNPrimeシリーズだけあり、複数の機器を接続した際の制限も緩め。1秒ごとに接続された機器の要求電力を監視し、出力を適切に振り分ける『Dynamic Power Distribution』(DPD)機能により、3ポートであっても自動で適切な出力を振り分け、4ポート同時使用時でも最大150Wをキープします。
このあたりはライバル機種にはない特徴、かつ使い勝手を大きく左右する箇所だけに、人気を支えそうなポイントです。
本体サイズは約68×61×31mm(幅×高さ×奥行)で、重量は約232g。ACプラグはもちろん折りたたみ式です。アンカー側は一般的な140W充電器(つまりアップルのMacBook Pro 16インチ付属ACアダプタ)に比べて約40%コンパクトとアピールします。
出力の余裕と柔軟なポート構成から「1人でも、シェアしても急速充電」と銘打たれたこのモデルは、価格こそUSB ACアダプタとしてはかなり高価ですが、他のGaNPrimeシリーズと同等に価格なりの利便性を備えています。
今後の対応機器の増加を見据えて購入するヘビーユーザーなどを中心に人気となりそうです。
140W対応のベーシック、Anker 717 Charger
もう一つ製品として発表されたモデルが、『Anker 717 Charger』(140W)。こちらはごくごくシンプルな、USB-Cポート1基のみの最大140W対応モデルです。
価格は9990円で、一般販売開始は9月中旬を予定します。
本体サイズは約68×59×31mm、重量約235gと、747 Chargerと同一。基本設計も多くを共用する模様です。なお、出力端子がUSB Type-C×1のみなのでGaNPrimeシリーズには属しませんが、パワー半導体はGaNベースです。
実はこのクラスの本体サイズでは、140W対応というだけで出力は高め(実際747 Chargerも、総合出力としては10Wしか増加しません)。MBP 16インチなど、対応する機器に対して着実に急速充電を掛けたい場合などは、こうした1ポート製品のほうがかえって使いやすい、といった局面もあるはずです。
C3A1で総合240W、期待のAnker 749 Charger
そして、今冬発売予定としてプレビュー(予告)されたのが、GaNPrimeシリーズの最大出力モデルとなる『Anker 749 Charger』(GaNPrime 240W)です。
現状では価格未定、発売予定は2002年冬ごろと、まだまだ未確定情報が多い状態。ですが、複数機器をヘビーに使っているユーザーなどは、総合240Wというスペックに強烈な魅力を感じるはず。
さすがに価格の面を含めて人を選ぶモデルとなりそうですが、それゆえに登場が楽しみなモデルであることは間違いありません。
このように、アンカーの140W(MBP 16インチ)対応製品は、ベーシックな1ポートモデルと多ポートモデルを同時に発売するという、大手ならではの展開となりました。
別記事で紹介している140W対応のモバイルバッテリー『Anker 737 Power Bank』も含め、同社の本気が感じられるところです。
●Source:アンカー 特設ページ
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