発売から5年目を迎えたアクションRPG『NieR:Automata』に、今となって「秘密の教会」が見つかったとの報告がファンコミュニティの中で嵐を巻き起こしました 。
本物としか見えない映像が公開されながらも、発見者の他は誰も見つけることも入ることもできないため、疑惑が渦巻いていたしだいです。
しかし、火元となっていた人物がTwitchでライブ配信を行い、最後の最後で「かつてないほど凄いMOD(改造)ツールを開発して使っていた」ことを告白してオチを付けました。
今回のチャーチゲート(「教会疑惑」という愛称)事件をざっと振り返ると、始まりは海外掲示板Redditユーザーのsadfutago氏が投下した45秒の動画でした。そこでは「複製の街」という確実に通りかかるエリアに隠し扉が現れ、何周もクリアした強者達にも未知のエリアが広がっていました。
さらに新たな動画が投下され、いかにもな教会に白い花を胸から生やした人形、それに黒いピクセルから成るクリーチャーが登場。そんな「世界でたった1人しか行けない場所」は本当にあるのか。さらにMODの達人たちがゼロから自作できるほど高性能なツールはないことを検証したため、自作自演説も影を潜めていきました。
しかも「ニーア」シリーズの生みの親であるヨコオタロウ氏がコメントしたものの、異才の考えを常人が理解できるわけもなく、「私はソーセージとビールが大好きです」という締めに、かえって謎は深まってしまいました。
さて7月29日、ついに真相が判明。火付け役のsadfutago氏がTwitchでライブ配信を行い(こちらのアカウント名はze34_zinnia)例の奇妙なエリアを駆け抜けてから、最後に全ては精巧な改造だったというクレジットを出したのです。
その制作チームは、マップデザインがDevolasRevenge氏、Blenderツール開発はWoeful_Wolf氏、スクリプトツール開発はRaiderB氏の3人だったとのこと。彼らは数日内にすべてのMODツール(Blenderのアドオンとスクリプトツール等)をオープンソースとして公開したり、教会のMODファイルをリリースして誰もが体験できるようにすると約束しています。
あまりに精巧に作り込まれているために、MODツールで自作できるわけがない。その謎の答が「想像を絶する新たなMODツールで作られていた」という鮮やかな幕切れを迎えたわけです。
トップクラスのMOD開発者達やデータマイナー(ゲームデータを分析して未知の機能やステージを見つける人)が総がかりで謎に取り組んだ道のりは、ここに記録されています。
何より面白いのは、識者としてコメントしているWoeful_Wolf氏が実は“作者の1人”だったことです。「こんなことをやり遂げられるのは、ごくごく一握りの人たちしか思いつかない」「もしこれが本物だとして公開されたなら、改造シーンにとって非常にエキサイティングなことだよ!」と内心ニヤニヤしながら言っていたのかもしれません。
Source:Twitch
via:Gamesradar