イーロン・マスク氏は6月、テスラのイベント「Tesla AI Day」で人型ロボット「Optiomus」の動くプロトタイプを公開するため、そのスケジュールを8月から9月末に延期しました。
そして、そのイベントまであと1か月を切ろうかというこの時期にモーターやアクチュエーターに詳しい技術者を大量に採用しようとしています。
マスク氏は、Tesla BotことOptimusを発表したとき、テスラの電気自動車がある意味すでにAIを搭載する「車輪付きロボット」だと述べ、それらEVに搭載する技術はヒューマノイドの開発にもそのまま転用できると主張していました。
たしかに、電気自動車を動かすのはバッテリー、モーター、アクチュエーター、そしてコンピューターを含む電気・電子回路ですが、それらをそのままEVから人型ロボットに持ってくることはできません。そのため、すでにある技術を組み合わせて人型ロボットを構築するにしても、必要な仕様に適合するモーターやアクチュエーターその他部品をどこかに手配するか、自社開発しなければならないわけです。
電気自動車関連ニュースメディアElectrekによると、テスラはこの人型ロボット開発のために、9つの職種で人員を募集しはじめました。これは、テスラが現在募集している電気自動車部門よりも多くなっています。
Electrekは、この求人で集まった人材はTesla AI Dayで発表されるOptimusの最初のワーキングプロトタイプの効率を最適化し、低コストに仕上げる作業に取り組むことになると伝えています。
マスク氏は早ければ2023年にも人型ロボットの量産開始を目指していると発言しています。マスク氏が何かの期限について話したとき、それが守られる可能性がほとんどないことは、長年のマスク氏の言動を見てきた方々ならご存じでしょう。しかしまずは、初公開となる9月末のイベントに本当に動くTesla Bot(プロトタイプ)が間に合うのか、そしてそれがどれぐらいのレベルのものになるのかに注目です。
昨年のTesla AI Dayは、ロボットのマネもダンスも決して上手くない全身タイツのパフォーマーが現れただけでしたが、今年もあのパフォーマーが登場して、上達したロボットダンスを見せられるようなことだけは、ないと信じたいところです。