Acer、裸眼3D立体視4Kモバイルモニタを一般向け発売。Unreal Engine やBlender の立体プレビュー対応

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関根慎一

関根慎一

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Acerが裸眼3D立体視対応モニター2機種の個人向け予約販売を開始しました。いずれも15.6型のISP液晶パネルを採用した4Kモニターで、製品名は「SpatialLabs View Pro ASV15-1BP」と「SpatialLabs View ASV15-1B」。名称につくProの有無で利用できる機能が異なります。

Acerが開発・展開するSpatialLabsは、内蔵のステレオカメラがユーザーの顔を認識し、左右の目の位置に合わせて立体視に適した映像を生成する仕組み。

モニター表面には微細な光学レンズが貼り付けられており、左右の目それぞれに別の映像を見せる形で裸眼立体視を実現しています。現行の裸眼3D立体視対応モニターのひとつとしては、ソニーが"空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)"を謳う「ELF-SR1」が挙げられますが、こちらもSpatialLabsと同様に、ユーザーとデバイスを一対一で立体視させる方式(複数人で同じ画面を見ても立体視できるのは一人)です。

SpatialLabsを採用した製品は、ノートPC「ConceptD 7 SpatialLabs Edition」として2021年に発表済み。日本国内では法人向けに展開していましたが、2022年に入って一般向けの販売を始めていました。

今回売り出すSpatialLabs Viewシリーズのモニターはモバイルモニターとして5月に発表されたもので、スペックシート上の仕様はほぼ共通ですが、上位モデルのASV15-1BPのみVESAマウントを備えています。

主な機能はSpatialLabsのアプリとして提供されており、両者共通で使えるのは、2D画面に表示したモデリングソフトで編集したモデルを3D画面で立体表示する「SpatialLabs Go」、3Dモデルビューア、3D動画プレイヤーの3つ。2D/3Dの切り替え表示も可能です。

下位モデルのASV15-1Bでは、プロファイルによって「Folza Horizon 5」や「Witcher 3: Wild Hunt」などの対応ゲームタイトルを裸眼立体視に対応させる「TrueGame」が使えます。

一方、上位モデルのASV15-1BPではTrueGameが利用できない代わりに、ハンドトラッキング機能の「Ultraleap」に対応するほか、Unreal EngineのDatasmithや3Dデータ共有サービス「Sketchfab」を裸眼立体視状態で利用できるなどの差があります。

主な仕様は、解像度が4K(3840×2160)、コントラスト比は1200:1、リフレッシュレートは75Hz、応答速度は30ms未満(GtG)。

色域はAdobe RGB 100%(ASV15-1BPのみDelta E 2未満の色精度に調整)、視野角は垂直/水平ともに170度。入力端子はHDMI 2.0×1。

必要環境はCPUが第8世代Core i7以上、GPUがGeForce RTX2080以上(ノートの場合はRTX 3070 Ti以上)、OSはWindows 10以降。

外形寸法は約359.8×243.8×23.5 mm、重量は約1.475kg。発売時期は10月下旬。本日より直販サイトで予約を受付中。実売予想価格はASV15-1BPが30万円前後、ASV15-1Bが25万円前後。

明言されてはいませんが、Unreal Engine関連の立体視対応周りや下位モデルでだけ使える機能の提供から、上位モデルは開発環境向け、下位モデルはコンシューマ向けという差別化に見えます。

ハードウェアスペックがほぼ同等でも用途が違うのだから、下位モデルで使える機能は必ずしも上位モデルで使える必要はないということなのかもしれませんが、開発したものを同じモニターで確認できないのは利便性の面でどうなんだろうという気もします。両機種とも購入するとELF-SR1の直販価格55万円ちょうど(記事執筆時点の実売価格はもう少し安価)なので、もしかしたら両方買ってくれというメッセージなのかもしれません。

《関根慎一》
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