米国国防高等研究計画局(DARPA)が、、基地や滑走路、その他特別な設備がなくても離着陸でき、悪天候でも運用可能な小型垂直離着陸機の開発、実際に飛行しての実証試験の実施を目指すANCILLARYプログラムを発表しました。
CGで制作された紹介動画では、オペレーターがタブレットのようなコントローラーを用いて操作しています。また、機体が小型なことから、おそらくは無人機で、遠隔操縦および自律航行できる機体の開発を想定している模様です。
プログラムではこの機体に関して、冒頭の目的に加えて商用eVTOLの技術を応用、軽量な機体に大きなペイロードを搭載でき、長時間飛行が可能な新しいアーキテクチャーを開発すると述べています。そのため、必要な要素や製造技術について、産業界や学術研究の分野からの提案を募集するとのこと。
ANCILLARYプログラムを率いる、DARPAのSteve Komadina氏は「戦闘要員がインフラに依存することなく、過酷な状況においてもこのようなシステムを展開・回収する能力があれば、人員、コスト、隠密作戦中の弱点を補うことができるだろう」と述べています。またプログラムで開発された機体は「高度な制御理論、空力モデリング、および高度な推進機構の開発をまとめて、困難な設計目標の組み合わせを解決する」ことが求められると付け加えました。
垂直離着陸機は、航空機の運用に必要なインフラを最小限に抑え、ヘリコプターのような従来の回転翼機に伴う騒音を低減し、空の旅に革命をもたらす可能性があります。現在、航空ベンチャーや研究機関がさまざまなVTOL機に関する研究開発を行っています。たとえば米空軍はAgility Primeプログラムで遠隔操縦式のVTOL機を開発しており、NASAはJoby AviationのeVTOLをテストしています。
なお、DARPAは9月20日に招待制のProposers Day and Expoを開催し、ANCILLARYプログラムの技術や製造技術に関する提案を受け付ける予定です。ちなみにANCILLARYとは「AdvaNced airCraft Infrastructure-Less Launch And RecoverY X-Plane」の略称だそうです。
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