NVIDIAは20日、新世代GPUの最上位モデルとして、GeForce RTX 4090/4080を発表しました。下位モデルのGeForce RTX 4080については、ビデオメモリを16GB搭載したモデルと、12GBのモデルを用意。旧モデルと比べて、光の挙動を再現するレイトレーシングや、AI超解像技術DLSSの性能が軒並み上がっています。
GeForce RTX 40シリーズでは4nmプロセスで製造されたAda Lovelaceアーキテクチャを採用しており、集積されたトランジスタの数は760億個に到達(前世代のGeForce RTX 3090は280億個)。エネルギー効率も向上しており、前世代のGeForce RTX 3090 Tiと同じ消費電力で約2倍の性能を実現しており、ゲームタイトルによっては、GeForce RTX 3090 Tiの4倍以上のフレームレートを出しています。
新たに実装された「シェーダー実行リオーダリング」(SER)は、レイトレーシング処理を効率化する処理。シェーディング作業時のデータを動的に並び替えて実行効率の向上を図るもので、CPUでいうところの「アウトオブオーダー実行」に匹敵する効率化がなされています。NVIDIAによれば、SERによってレイトレーシング時の実行性能は前世代比最大3倍、フレームレートは約25%増加するとのこと。
DLSSでは、追加フレームの自動生成により滑らかなモーションを表現する「オプティカルマルチフレーム生成」を追加しており、DLSS不使用時と比べて最大4倍、CPUが処理のボトルネックになっている場合でも最大2倍までフレームレートを向上できるとしています。
このほか主要なスペックとして、GeForce RTX 4090はベースクロックが2.23GHz、ブーストクロックが2.52GHz、ビデオメモリはGDDR6X 24GB、メモリ帯域幅は384bit、消費電力は450W。
GeForce RTX 4080(メモリ16GB)はベースクロックが2.21GHz、ブーストクロックが2.51GHz、メモリ帯域幅は256bit、消費電力は320W。
GeForce RTX 4080(メモリ12GB)はベースクロックが2.31GHz、ブーストクロックが2.61GHz、メモリ帯域幅は192bit、消費電力は285W。
いずれのモデルもグラフィックボード長さは304mm。
発売時期と価格はGeForce RTX 4090が10月12日で29万8000円より、GeForce RTX 4080は16GBメモリ搭載モデルが21万9800円、12GBモデルが16万4800円より。
GeForce RTX 40シリーズでは、レイトレーシング性能の向上とフレームレートの改善を押してきています。前世代までは、レイトレーシングを有効化するとかなり気になるレベルで負荷がかかっているのがわかったものですが、GPU性能の向上と新機能のSERで、どの程度までカジュアルにレイトレーシングが使えるようになるのかは気になるポイントです。
おいそれと手を出すにはなかなか厳しい価格帯ですが、昨今は前世代で見られたようなマイニング需要も落ち着いているように見えるため、徐々に値下がりしていくことを期待したいところです。