米Amazonの電子書籍であるKindle本は、記事執筆時点(9月下旬)では購入から7日以内であれば、仮に最後まで読み終わっていても返品して返金を受けられる場合があります。
全米作家協会(Authors Guild/以下「AG」)は、Amazon上級幹部と話し合った結果、返品ポリシーを変更させ、10%以上読まれたKindle本の自動返品を阻止することに合意したと発表しました 。この変更は年内に実施される予定です。
現在あらゆるKindle本の著者が困っているのは、購入後7日以内であれば、100%読まれていても返品できてしまうことです。購入済みの電子書籍は、ボタン1つで返品リクエストができます。
この返品受付は「Amazonの裁量」によるとされていますが、「過去に多くの返品依頼を承っているお客様については」との但し書きもあることから、逆にそうでない場合は特に人間の担当者がチェックすることなく、機械的に返金してきたと考えられます(これをAGは「自動返品」と称しています)。
もちろん著者は電子書籍の売上から一定比率のロイヤリティ(印税)を得るため、無料で返品されれば収益にはなりません。もしも速読ですべて読まれてから返品されたなら、「タダ読み」されたということです。NPRによると、返品制度の悪用により、一部の著者の収益がマイナスになるケースもあったとのこと(Amazonから著者に支払われた後、ユーザーが返品した場合)。
全米作家協会のリリースによれば、今後は10%以上読まれたKindle本を返品したい場合は、カスタマサービスにリクエストを送った上で担当者により審査を受け、Amazonのポリシーに準拠しているか確認される予定とのこと。これにより現在のポリシーを悪用する人々にブレーキをかけることが目的だ、と述べています。
逆にいえば、これまで返品リクエストをAmazon側の人間は審査せず、読書の進ちょくも確認せず、ボタン1つで返品できる図書館のように使うユーザーも野放しだったことになります。
AGはAmazonのチームに対して「誠実に対応してくれた」ことに感謝を述べています。