約8年待ったGoogleオリジナルスマートウォッチ「Pixel Watch」がやってきました。
Google初のスマートウォッチ「Pixel Watch」に触れて振り返る、Apple Watchより長いその歴史(Google Tales)
サー・ジョナサン・アイブのおっしゃるとおり、ケースを円形にする意味はほとんどないと思いますが、いいんです。かわいいから。
UltraではないApple Watchより2mm厚みがあるけど、丸くて愛嬌があるおかげでそれほど気になりません。
直径は、Apple Watchの小さい方の幅とほぼ同じ41mmの一択です。男性にはちょっと小さいかもしれませんが、ぎりぎり女性の腕でも収まるサイズ。
▲上から、Fitbit Luxe、Pixel Watch、Apple Watch Series 5(44mm)。Pixel Watchは右腕用にリューズ(竜頭)の位置を変えてあります
円形ディスプレイならではの工夫は?
ディスプレイを円形にしたことで見にくかったりするのではないかと思いましたが、意外と大丈夫。ウォッチフェイス以外では円形ならではの工夫があるとはいえませんが、不便さは感じません。
画面をいくつか紹介します。上段はたくさんあるウォッチフェイスの中から、円形ならではのもの5選。左端はGoogle Playストアからダウンロードしたお気に入りです。バッテリー量がチェックできるのが安心。
▲円形ディスプレイの表示例
2段目左から2つ目は基本機能の一覧。Apple WatchのApp表示のグリッド表示のような工夫はなく、円がただ並んでいます。初期設定で13個の円があり、上下スクロールで全部見えます。
アプリ一覧は3段目の右から2つ目。リューズを回すか、画面の上下スワイプでスクロールします。
いずれも円ならではの工夫みたいなものはなく、強いて言うなら上段右から2番めのメディアコントロール画面の上の方に表示されてる時間とか、Googleマップの所要時間と時刻の表示が扇状になっていることくらいです。
▲Apple Watchのホーム画面
その他、気づいたことを書いていきます。
Pixel WatchのスクリーンショットはApple Watchと違い、本体操作では撮れず、母艦側のアプリでキャプチャします。ただし、円形にはならないので、上の画像は画像編集アプリで丸いマスクをかぶせてあります。
また、セキュリティの配慮からだと思いますが、Google Payの画面はキャプチャできませんでした。
バッテリーの持ちは実際に使ってみて不安か?
仕様が発表されたときに「バッテリー持続時間は最大24時間」と聞いたときは、「睡眠トラッキングもしたいのに、いつ充電すれば……?」と不安になりましたが、私はお風呂時間に充電することにしました。
自分の例では、朝5時、満タン状態で使い始めたPixel Watch、午後7時半には35%になっていましたが、約50分のバスタイム中の充電で91%にまで回復。寝るのは10時ごろなんですが、翌朝5時に起床した段階で58%になってました。
朝ごはん中にも充電すれば、日中も安心して使える感じです。
ちなみにFitbit創業者で現在Pixel Watchチームの偉い人になっているジェームズ・パークさんはCNETのインタビューで、「ぼくは朝シャワーをあびて軽い朝食をとる間に充電してるよ」と言ってました。
充電ツールは付属の専用のもので、Apple Watchのよりひとまわり大きい円盤つきのケーブルです。プラグはもちろんUSB Type-C。
▲右はApple Watch用
Apple Watchの充電器では充電できませんでした。ヘルプページには、「Google Pixel Watch の充電に使用できるのは、同梱の Google Pixel Watch マグネット充電ケーブルのみです」とあります。Pixel本体からQi対応デバイスにチャージする「バッテリー シェア」にも非対応。
なので、旅行にはこの充電ツールも連れていく必要があります。自分が持っているモバイルバッテリーのポートはUSB Aのものばかりなので、アダプタを買いました。
▲携帯用にもう少しケーブルが短いのが欲しい
サポートページによれば、50%まで約30分、80%まで約55分、100%まで約 80分という充電速度。充電ほやほやはかなりあったかいですが、かといって熱くて装着できないレベルではなく、冬は嬉しいくらい。
Suicaで改札を通ってみた
時計での改札通過。Apple Watchの人がすーっと改札を通るのを見てやってみたいと思ってました。
普段はPASMOカードを使っているのですが、今のところPixel Watchに登録できる交通系カードはSuicaのみ。
でもこれが逆に幸いしました。
なぜなら、既にモバイルSuicaを使っている場合、移行がかなり面倒だからです(まずGoogle Payから既存のモバイルSuicaを削除し、おサイフケータイでSuicaをサーバに預けてからPixel WatchのGoogle Payにあらためて既存のSuicaを登録)。
そもそも1つのGoogleアカウントでモバイルSuicaを使えるデバイスは1台のみです。まだPixel WatchをメインのSuicaデバイスにする決心がつかないのに移行するのはちょっと勇気が必要。その点、PASMOユーザーなので「じゃ、Suicaも使ってみよっかな」と気軽に登録できました。新規だったため、発行手順は簡単でした。
▲説明通りにすんなり発行できました
オートチャージは「ビューカード」でしかできません。ビューカードは持っていないのでオートチャージは諦めて、Google Payに既に登録してあるカードでまめにチャージします。
チャージはPixel Watchから直接はできませんが(Apple Watchはできます)、連携したAndroidスマートフォン上のPixel Watchアプリで数タップで3000円ずつ追加できます。
近場にしか移動しないので、2000円以下にならないように気をつけていれば、改札を出られなくなることはなさそうです。
もたつかずに改札を通りたいので、Pixel Watchは右手首に巻いています。
初めて改札でPixel Watchをかざしたときは緊張しました。空いている時間帯を狙って駅に行き、後ろから人がこないことを確認してからそーっとかざしてみたら、ちゃんと通れました(心の中で小躍り)。
▲イラスト:ばじぃ
何度か使ううちに、Apple Watchのように手首を返さずに通れるかなとちょっとやってみたんですが、垂直くらいにしないとだめでした。
7800円のストレッチバンドを買ってみた
腕時計を右手首にしていてもそれほど不便はない(昔々、JKだったころはそうしていた)ですが、PCのマウスはいつも右手に持つので、Pixel Watchについてくるアクティブバンドだと、バックル部分がちょっと盛り上がるので気になります(リストレストになるとも言える)。
そこで、別売のストレッチバンド(7,800円)を買いました。これは、Apple Watchのブレイデッドソロループ(14,800円)相当の、留め金がないタイプのバンドです。
▲ストレッチバンド到着
これだとケースの背面が手首にぴったりくっつくので、心拍数のより正確な計測にも寄与するかもしれません。
▲ストレッチバンドは密着度が高い
ただ、ぴったりくっつくので一晩つけてると、手首にバンド跡が結構つきます。若くてお肌ぴちぴちなら、これほどひどくならないかもです。
▲バンド跡がくっきり
ふと思いついて初代Pixel Standにはめてみたら、充電中の画面になったのでぬか喜びしたんですが、9TO5Googleによると表示されるだけで充電はできないそうです。Qiに対応していないなら、仕方ないですが、純正同士の謎の結束でもあるのかと期待してしまいました。
▲初代Pixel Standで充電できたかとぬか喜びの図
ストレッチバンドはゆるいと使いにくいので、ちゃんと手首周りを測って買いましょう。Appleと違ってmmでサイズが表示されているので分かりやすいです。
▲私は140mmなのでXSを買いました
1週間使っての感想
本当はFitbit搭載、というのがPixel Watchのかなり大きなウリだと思うのですが、私はなにしろ放っておくと1日2000歩も歩かない人間なんで、残念ながらFitbitの機能は宝の持ち腐れです。睡眠スコアは参考にはしていて、Google Nest Hubの睡眠トラッキングと結果を比較してみたりしています。それで睡眠を改善しようとは思わないけど。
個人的に一番気に入ってるのは通知機能です。母艦に来る通知を全部転送する設定にしておくと、Facebook MessengerもLINEも、Pixel Watch側にアプリをインストールしていなくても通知(手首がぷるってなる)がきて、内容をPixel Watchで読めて、返信もできます。
テキスト入力や音声入力での返信はちょっとめんどくさいですが、「了解」なら絵文字でできるので便利。
不満はあまりないです。ちょっと重い(28g)ですが、それは私が非力で腕が細いから。SoC(Exynos 9110)が古いからだめ、という人もいますが、実際に使っていて「遅い」とは感じないし、むしろ反応はキビキビしています。バッテリーがもうちょっと長持ちだといいなとは思いますが。
総合的に、とても気に入りました。いつも一緒にいたい。
Pixel Watchは人気のようで現時点で品切れ状態。現在は「ウェイトリストに登録」となっています。
たくさんの人に使われれば、サードパーティ製のおしゃれなバンドが登場したり、便利なアプリが出たり、Suica以外のカードが利用できるようになったりする日が来るんじゃないかな。その日が来るまで、「儲からないからやーめた」ということになりませんように。
¥39,800
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
追記:連載名を「Google Tales」に変更しました。