Twitter Blueに加入すると自分のツイートが優先表示されると聞いて即課金した自己顕示モンスターの皆さん、および別の機能のために加入したのに自己顕示モンスターだと思われて困惑している皆さん、TwitterのCEOイーロン・マスクが双方に影響のある仕様変更を告知しました。
今後数週間以内に、Twitterはリプライの表示順を
ユーザーがフォローしているアカウント
認証済みアカウント
その他
の順に優先順位づけします。
誰かのツイートに自分がリプライした内容をできるだけ多くの人に読ませたいユーザー、特に話題のツイートの下に自分の宣伝ツイートを差し込みにゆきたいビジネスアカウント等は、月1380円~年10280円(※)程度でTwitter Blueに加入すれば、加入していない専門家等よりも上位に表示されることになります。
会話中の優先表示は、イーロン・マスクがTwitterの買収後に打ち出した新 Twitter Blue 有料プランの目玉機能のひとつとして昨年から告知されていました。
ツイートにつけられたリプライの表示順は、いわゆる「おすすめ」と同じくTwitterのランク付けアルゴリズムで決定します。
ツイッターは行動や通報などによってユーザーやツイートを格付けして「ランク」を設けており、この点はイーロン・マスクによる買収後も変わっていません。
このランクを下げる措置がいわゆるシャドウバン。程度によっては「おすすめ」に表示されないばかりか、フォロー中のタイムラインでフォロワーにも表示されず、ユーザーのプロフィールから辿ったときだけ見える状態になります。
ランクはユーザーからは確認できず、Twitterはランク付けアルゴリズムを公開していません(今後公開予定)。しかしリプライ中の優先順位については、Twitter Blue持ちの認証済みユーザーが急に上位を占める現象は今回の発表以前から観測されていました。
今回の変更が実施されれば、あるツイートへのリプライ中にたまたま自分がフォローしているアカウントが発言していればまずそちらが、それ以外は認証済みユーザーが先になり、その他のユーザーは下に表示されることになります。
現状では「認証済みユーザー」をその他のユーザーより優先するとの表現で、Twitter Blue加入者ではない従来からの認証マーク、いわゆるLegacy Blueも含むと解釈できます。
しかしイーロン・マスクは、従来からのいわゆる公式アカウントや著名人等の認証済みアカウントについて、金を払って認証マークを手に入れるなど「不正が蔓延している」として剥奪する予定。今後は「Twitter Blueに金を払って認証マークを手に入れたユーザーの発言を優先的に伝えるサービス」に変わることになります。
イーロン・マスクによれば、この変更の理由は「ボットとトロールの軍団」による不正を防ぐため。
Twitter Blueへ加入したユーザーに認証バッジを与えること、優先的に扱うことについては、支払手段や電話番号の確認というハードルを設けることによって、自動生成のアカウントやボットを防ぎ、スパムや世論操作を防止するための唯一の手段だと繰り返し説明してきました。
自動で大量に生成するタイプのボットが認証バッジを入手するのは確かに資金のハードルがある一方で、最初から営利目的でコストをかけられる宣伝アカウントや、不正な世論操作が目的のアカウントであれば、月にわずか8ドル程度で優先してもらえるならば当然支払うのではないかという観点もありますが、Twitterにとってはどちらも収益源には変わりありません。
いずれにせよ、何かと戦うため、あるいは宣伝やビジネスのため、あるいは純粋に自己顕示のためにツイッター活動に勤しんでいる皆さんにとっては、人気のツイートの下に自分の宣伝を差し込みにゆく際の効率が上がり、Twitter Blueの価値が高まる変更です。
一方で、広告半減(予定)やツイート編集、長文投稿などの限定機能が使いたいだけ、別に不特定多数にたくさん見られたいわけではないユーザーにとっては、認証マークや優先表示ナシのプラン、オフにするオプションの需要があるかもしれません。