WWDC23直前予測まとめ:AR/VRヘッドセットや15インチMacBook Air、新型Mac Studio登場?

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

特集

アップルは6月6日午前2時、つまり数時間後に世界開発者会議WWDCの基調講演を開催します。

本来「iOS 17」や「watchOS 10」、「macOS 14」といった主要OSのメジャーアップデートが主の開発者イベントではありますが、複数のハードウェア新製品も発表を迎えると見られています。

有力候補の3製品について、これまでの噂話を振り返りつつ、ざっとまとめてみましょう。

アップル初のAR/VRヘッドセット

本誌でも何回かお伝えしてきたことですが、アップルの秘密主義にもかかわらず、その製品像はすでに多くの要素が語られています。高度な視線およびハンドトラッキング実現(そのため10個以上のカメラ搭載)、高解像度のマイクロOLEDパネル×2枚、ログインや決済ができる虹彩認証、VRとARを切り替えられるダイヤルなど。

そうした超高スペックを実現するためデュアルプロセッサが搭載、バッテリーは本体に内蔵すると重くなるため腰に付けるなどの具体的な製品像も挙がっていました。

また中国方面からは、実物を入手して分解したと思しきBOM(部品表)コストも報告され、部品代と組立費用や輸送費を積み上げると約1500~1600ドルだと述べられていました。予想価格が3000ドル(約40万円)であり、原価率およそ50%といったところです。


そうした記事のほか、独自の情報源に定評あるThe Informationが「本製品はアップル史上最も複雑な設計、前例がないほど製造が困難」と報じたり、調査会社Trendforceが「年内に10万台しか出荷できない」と述べたりと、開発者やクリエーター向けの高価な製品である以前に極端に入手しにくそうな気配が漂い始めています。

15インチMacBook Air

大型の15インチモデルが開発中との噂は、数ヶ月前からたびたび、複数の情報源が伝えていました。フォームファクタは現行のM2 MacBook Airと変わらず、外部端子類やMagSafe充電も変わらず、見かけは「ただ大きくなったM2 MBA」である可能性が高まっています。

しかし、識者により意見が割れていたのが「次期M3チップを搭載するのか?」ということ。一時は希望が持たれていましたが、数々の実績あるBloombergのMark Gurman記者や、アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏らがこぞってM2チップのまま説を支持しています。


その理由の1つは、Appleシリコンを独占製造するTSMCが、十分な量のM3チップを供給できないため。M3や次期iPhone 15 Pro(仮)向け「A17 Bionic」に使われる3nmプロセス製造ラインの歩留まりが十分に高くなっていないとの報道もありました。

もう1つは、アップルが市場状況や在庫調整などの諸事情からM3搭載を急いでいないという。「市場状況」とは、具体的には全世界のPC出荷台数が激減しているなか、最も減っているのがアップル(Mac)との調査結果もありました。つまりM2 Macの在庫がダブついているため、M3 Macの投入を見合わせたのかもしれません。

なおKuo氏は、M2 ProでもM2 Maxでもなく「ただのM2」だと予測しています。「2つのオプション(CPUの選択肢)はコア数が異なるM2である可能性が高い(M2 13インチMacBook Airと同じ)と言っており、本当に大型化しただけの13インチモデルとなる模様です。

M2 Max/M2 Ultra搭載Mac Studio

これもMark Gurman氏の記事やツイートが情報源です。アップル社内ではWWDCに先がけて、「M2 MaxとM2 Ultraを搭載した、2つの新型デスクトップMacをテスト中」とのこと。

このうちM2 Ultraは未発表チップで、24コアCPU(高性能コア×16+高効率コア×8)とGPUコア×60、最大192GBのRAMに対応すると主張されています。つまりM2 UltraはM2 Maxのちょうど2倍のコア数ということで、おそらくM2 Maxのダイ2つをインターコネクトで相互接続したものと思われます。

もともとM2 UltraはAppleシリコンMac Pro用に設計されたと噂されてきました。が、次期Mac Proは外付けGPUが使えない、ユーザーが自らRAMを増設できないなど、歴代Mac Proに求められてきた拡張性の高さがまるでないと前評判が盛り下がっています。M1世代でもMac Proが用意されながら発売が見送られたと言われますが、また同じ運命をたどったのかもしれません。

かたやMac Studioは、現行モデルのM1 Max/M1 UltraからM2 Max/M2 Ultraに移行しやすいはず。それに加えて、WWDC当日からアップルがMac Studioの下取りを始めるとの噂もあり、後継モデルが登場する可能性は低くなさそうです。

なお本日のWWDCは、複数の新型Macとヘッドセット、次期OSのプレビューと3つも焦点があるため、アップル史上最長の2時間超えになると予想されています。翌日の早い時間に仕事の予定がある人は、その点も留意しておきたいところです。

《Kiyoshi Tane》
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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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