Apple Intelligenceが日本で使えるようになってよかったなと実感した瞬間(CloseBox)

テクノロジー AI
松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

特集

4月1日、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、そしてVision Proまでが一斉にアップデートされました。この大型アップデート最大のポイントは、日本でApple Intelligenceが使えるようになったことです。

ですが、Apple IntelligenceはAIをAppleデバイスとOSに組み込んだ非常に複雑な技術で、普段使っているだけだとその恩恵を実感することはほとんどありません。

というのも、Apple Intelligenceはローカル(デバイスのみ)で動作する部分と、外部サーバ(Apple Private Cloud Compute)にアクセスするものとがシームレスに切り替えられており、ネットにつながっている状態で特定の技術だけを切り出したとしても、そんな機能ならChatGPTやGeminiなど既存の大規模言語モデルでもできるだろう、となってしまうからです。

■Image Playgroundを使って似顔絵を描く

例えば、Image Playgroundという機能は、保存している人物写真から、アニメ風、イラスト風、スケッチ風の3種類の画像を、ネット接続せずに生成してくれます。

1枚の写真から10パターンが生成されるのを眺めるのは良い暇つぶしになります。以前と違い、スケッチモードが加わり、モデル本人に少し近づきました。しかし、ChatGPT 4oの、ジブリ風などのスタイル変更の面白さには到底かないません。アニメ風と言われても、それはどこの国のアニメでしょう?となってしまいます。


■Siriを使ったChatGPT連携を試す

Apple IntelligenceにはChatGPTとの連携機能があり、これはまあ、よくできています。

写真ライブラリで写真を表示している状態で電源ボタンを長押ししてSiriを呼び出し、「ジブリ風にして」というと、ChatGPTを呼び出して、画像を加工してくれます。

しかし、出来上がったのは「これがジブリ風?」と疑問に持つような絵柄。ChatGPT 4oでやったものとは異なる出来です。

試しに、ChatGPT単体でやってみると、こちらはそれっぽい絵柄になります。

こちらの方は、絵柄もそうですが、元写真の服装や髪型、表情が反映されています。Siri(Apple Intelligence)経由でChatGPTを使うものとは、描画エンジンが異なるのでしょうか?

だったら最初からChatGPTアプリを使え、という話になるわけで……。

Apple Intelligenceにはもっと実用的な機能もあります。例えばメール、通知の要約や、文章のスタイルを変更することが、純正アプリだけでなく、対応したアプリ全てで利用できます。

ただ、これもネットにつながっている状態であれば、ChatGPTやGemini、Claudeなどを使った方が、よりこなれた日本語の文章になります。

■Apple Intelligenceがラーメン屋で役に立った

じゃあ、どんな機能が面白いんだ? となるのですが、きのう、とあるラーメン屋に立ち寄ったときに、「Apple Intelligenceあってよかった」と実感したのです。

石神井公園の人気ラーメン屋、「井の庄」は、辛々魚ラーメンという魚介系ラーメンやつけ麺が人気の行列店。駅前のビル地下にあるのですが、ここには電波がほとんど届かないのです。

(▲筆者は味玉つけ麺が好物)

注文してから出来上がるまで、ネットがほぼ遮断された状態で待つのには慣れていません。何か暇つぶしできるのはないか? Image Playgroundの人物イラスト変換はもうあらかたやってしまったし……。

そこで思い出したのがジェン絵文字。まあ使い所がない機能だと思っていたのですが、試してみようとやってみました。

妻が好きな絵本に「ロバ王子」というのがあるのですが、そのシーンを思い出して、「ギターを弾くロバ王子」とやってみると、

かわいいロバ王子がギターを弾いています。


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いろんなキーワードを組み合わせてジェン文字を作っているうちにつけ麺が出来上がり、暇つぶしの役割は十分に果たしてくれました。

もっと時間がかかるようだったら、ジェン文字だけで物語を作ることもできそうでした。

とはいえ、せっかくローカルAI処理できるだけの演算性能を持つiPhoneなのだから、ネットが使えない状態でもうちょっとAI的なことができても良いはず。

■iPhoneで動かせる無料のローカルLLMを試す

ローカルLLMができるといいなと思ってたら、すでにそういうアプリは存在していました。有料やアプリ内課金のアプリが大半ですが、完全に無料なものもいくつかあります。

まず、xChat AIというアプリを試しました。

Gemma-2 2b-itがデフォルトで使え、そのほかに、Qwen、Llama、Deep Seekの小規模モデルが使えます(要ダウンロード)。

Gemma-2 2b-itでは、日本語がちゃんと使えました。iPhone 13 Pro Max以上で使えるそうです。ちなみにiPhone 13 Pro、14 ProはApple Intelligenceには非対応。

アプリは1.52GBというコンパクトなサイズなので、オンデバイスでもっとAIを遊んでみたいという人は試しに入れておいて損はないと思います。

GemmaはGoogle Geminiのオープンソースモデルなので、Androidならばもっと高性能なオンデバイスLLMが搭載されるのでしょうか。

《松尾公也》

松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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