初代スイッチでスイッチ2ソフトが遊べる新機能『おすそわけ通信』 実態は映像配信。一人が買って皆でプレイ、『ゲームチャット』ならオンラインも

ゲーム Nintendo
Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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4月2日のニンテンドーダイレクトで、任天堂がついに新型ゲーム機 Nintendo Switch 2 の詳細を公開しました。


新機能の『おすそわけ通信』は、自分が買ったゲームを『おすそわけ』して、ソフトを持っていない人ともそれぞれのゲーム機で一緒に遊べる機能。

従来のゲーム機にも似た仕組みはありましたが、Switch 2ではもうひとつの新機能『ゲームチャット』と同じ映像配信(ストリーミング)技術を利用して、対面のローカル通信でもインターネット経由でも、1本のソフトを最大4人のグループで遊べます(ホスト+おすそわけ3人まで)。

他社でいうリモートプレイやシェアプレイに似た仕組みのためダウンロード待ちがなく、即座に遊べることが利点。

さらに対面のローカル通信ならば、初代Nintendo Switch にSwitch 2ソフトを配信して、新旧世代混在で最新作を遊ぶことすら可能です。

GBAやDSとの違い。映像配信ベースの『おすそわけ通信』(ゲームシェアリング)

一人がソフトを持っていれば、持っていない相手ともそれぞれのゲーム機で一緒に遊べる仕組みは、ゲームボーイアドバンスの1カートリッジ対戦やNintendo DSのDSダウンロードプレイ、ソニーPSPのゲームシェアリングでも実現していました。

こうした携帯ゲーム機でのゲームシェアリングは、正式版を持っている一台がホストになり、マルチ専用の簡易版ソフトを他の本体に転送し、おのおのがローカルで実行する仕組みでした。

しかし初代Nintendo Switch ではソフトのサイズが大きくなりすぎ同じ形式は実現できず、「おすそわけプレイ」はJoy-Conを片方渡して、1台の画面を二人で見て遊ぶ機能に。

Nintendo Switch 2の新たな機能「おすそわけ通信」では、ゲームソフトそのものではなく画面をストリーミング配信で相手の本体に映し、相手からはコントローラの入力を受け取ることで、新世代のゲームシェアリングを実現します。

PS4 / PS5のシェアプレイ的ながら最大4人同時。ローカルで新旧混在も

ストリーミングを使ったこの仕組みもそれ自体が新しいものではなく、PS3世代からストリーミングによるリモートプレイを導入してきたプレイステーションでは、PS4世代から「シェアプレイ」の名で、相手のゲームにリモートから参加することができました。

しかしPS4 / PS5の「シェアプレイ」がゲストとして参加できるのは1人まで、(据え置き機なので)インターネット経由のPlayStation Plus加入者どうしでしか遊べなかったのに対して、Switch 2の「おすそわけ通信」ではホスト1台から同時に3人までの最大4人グループで遊べること、本体を持ち寄ってローカル通信でも遊べることが特徴。

Switch 2では同じ画面を共有するだけでなく、テーブルゲームなど、プレーヤーによって別の画面を表示して遊ぶことも可能です。

さらにローカル通信の場合、Switch 2専用のゲームであっても、「おすそわけ通信」ならば受け取る側は単に映像を受信してコントローラ信号を送り返すだけなので、初代SwitchにSwitch 2専用ゲームをストリーミングして遊ぶこともできます。

(インターネット経由の場合、それぞれの画面を共有しながらボイスチャットやビデオチャットして遊ぶ新機能『ゲームチャット』を介して遊ぶため、ゲームチャットに対応していない初代Switchは参加できません。またそれぞれがNintendo Switch Onlineに加入の必要があります)。

対応ソフトは現時点で6本のみ

このように魅力的な『おすそわけ通信』ですが、最大の制約はどのマルチプレイ対応ソフトでも使えるわけではなく、「おすそわけ通信」対応の特定のゲームでしか機能しないこと。現在のところ、対応ソフトは

  • スーパー マリオパーティ ジャンボリー Nintendo Switch 2 Edition

  • やわらかあたま塾 いっしょにあたまのストレッチ

  • スーパーマリオ 3Dワールド+ フューリーワールド

  • 世界のアソビ大全51

  • 進め!キノピオ隊長

  • スーパーマリオ オデッセイ

わずか6本のみ。しかもSwitch 2専用ソフトは、Switch 2で遊ぶと要素が増えるジャンボリーしかありません。

開発者に訊きました : Nintendo Switch 2|任天堂によれば、これはストリーミングの仕組み上どうしても遅延があり、ゲームによって向き不向きがあることも理由。任天堂ソフトについては「この機能を活かせるソフトを選んで対応してゆく」とのこと。そのわりにはリアルタイム性の高いアクションが対応作の過半を占めていますが、任天堂はWii Uで、カスタマイズした画面キャストの仕組みで優れた低遅延を実現していたこともあります。ここはぜひ実機で環境による遅延の影響を体験してみたいところです。

(対照的に、PS系統のシェアプレイは遅延の影響でゲームが成立するかどうかは関知せず、本体側の機能として、ホストとゲストの計2名までなら原則としてどのゲームでも画面共有の遠隔ローカルマルチができます。)

なお、一本だけ買って四人で遊べてしまうのでは、三本分の販売機会を失うのでは?という考え方もできますが、しかし『おすそわけ通信』の仕組みではホストがゲームをやめるとその途端にゲームがストップするため、シングルプレイで遊ぶことも、買ったホストがいない状態で遊ぶこともできない、あくまでお試し的な機能です。

任天堂の今後の作品はもちろん、サードパーティータイトルについても、おすそわけで遊んだことをきっかけに自分でも欲しくなる体験の機会と捉えて、ぜひ導入に期待したいところです。

(蛇足ながら、おすそわけプレイに対応していないソフトでも、新機能『ゲームチャット』の画面共有ではネットごしにフレンドに配信して見せることは可能。つまりシェアスクリーン)。

性能向上で新たな体験、マルチプレイのハードル解消に期待

マルチプレイが楽しいゲームを仲間と遊びたくても、実際に面白さを伝えるにはまず参加者全員が同じゲームを購入する高いハードルがあり、グループで持っていない1人を外すよりは別のゲームを……となってしまうのは、マルチプレイ好きなゲーマーにとって悩みの種でした。

ストリーミングで成立する対応作のみ、つまり基本的には同じ画面を見るゲームという条件があっても、マルチプレイのハードルが下がるのは大きな魅力。ローカル通信を使ったSwitch 2ゲームの初代Switchへのおすそわけなどは、これからの世代交代に向けて難しい舵取りを迫られる任天堂の武器のひとつになるかもしれません。

「性能が上がっただけ」でも新しい体験を実現

Nintendo Switch 2 は、名前が示すように初代Switch を継承発展するハードウェアの位置づけ。かつての GameCubeからWii、Wii からWii U、あるいはゲームボーイアドバンスからニンテンドーDSのように、ハードウェア的にガラリと変わる遊びを提供するよりも、Switchの成功をできるだけ仕切り直さず、時代に追従することを優先しています。

この点をもって、任天堂のイノベーションは死んだ、ハードウェア的な新機軸がないならソフト・ハード一体化の意義はないといった批判もあります。

しかし処理性能やRAM量といったリニアな性能向上であっても、「4Kに対応します・120HzやVRRで滑らかになります」といった快適さの向上だけではなく、『おすそわけ通信』や『ゲームチャット』のように、OSやソフトウェアプラットフォーム側の新機軸による新しい遊び、携帯機ハイブリッドならではの新しい体験を提供できるならばプレーヤーには嬉しい変化。単に初代Switchが10年前のTegra X1ベースに4GB RAMという貧弱すぎるハードウェアで、OS側の向上余地がなさすぎたという意味でもありますが、本体側に(若干の)余裕ができた任天堂が、これからのSwitch 2時代に何を目論むのか楽しみです。

《Ittousai》

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