アップルの空間コンピュータ「Apple Vision Pro」が発表された余韻もさめやらぬなか、その超高性能とは真逆のコンセプトである電子書籍専用ゴーグル「Sol Reader」の予約販売が海外で始まりました。
価格は350ドル(約4万9000円)で、Apple Vision Pro(米国では3499ドル)の10分の1となっています。
Sol Readerは、今年のCES 2023にて初公開され、一部で注目を集めていました。
大型のサングラスのような筐体には、高解像度のフルカラー画面ではなく、1.3インチのサイドライト付きE Inkディスプレイが2枚搭載。片目あたり256 × 256表示で、ファミコン(256×240)をわずかに上回っています。漢字の混じった日本語のテキスト表示は厳しそうな解像度です。
Sol社のCEOであるBen Chelf氏は「一般的なAR/VRの未来を大衆向けに示すアップルのデモに、私は興奮しています」と前置き。
しかし、最終的には手頃な価格で小さなフォームファクターになったとしても「本当に(多用途の)スマートデバイスと共に過ごす時間を増やす必要があるのでしょうか」として、自社製品は読書という個人にとって大切な用途に絞り込んで開発したと述べています。
さらに「アップルのVisionの10%のコストで、時間を有効に使える選択肢を提供できるのです」とも付け加えています。あえて、Apple Vision Proのインパクトが強い時期を狙って予約受付を始めたのかもしれません。
本製品にはパンケーキレンズと視度調整機能が備わっているため、ほとんどの人はメガネやコンタクトレンズが必要ない(メガネやコンタクトをしている人でも、裸眼で使える)とうたいます。ただし「視度調整範囲は広い」と説明されるだけで、どれほどの範囲かは明らかにしていません。
プロセッサーは2コアで240MHz、RAMは8MBでストレージは64MB。今や「GHz」や「GB」が当たり前の中では二昔ほど前のスペックですが、バッテリー駆動時間は最大25時間以上もの長さ。
またiOSおよびAndroidアプリが用意され、そこからDRMフリーのEPUBファイルを転送することになります。全てを一度にコピーする必要はなく、内蔵ストレージが64MBでもやりくりできそうです。
そして電子書籍の操作は同梱のリモコンで行うため、Sol Reader本体はわずか104gまで軽量化されています。長時間かけても疲れないよう、あらゆる配慮が施されているようです。
本体色はブラック、シルバー、ローズゴールド、ダークブルーの4種類。ただし予約注文にはコードが必要であり、コードをお持ちでない方はウェイトリストに名前と電話番号を登録して順番待ちすることになります。
¥59,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)