米FTC(連邦取引委員会)がマイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード買収計画を差し止めるための裁判が続くなか、数々の内部資料が提出されています。
そこからは企業間での知られざる交渉や思惑も明らかになっており、マイクロソフトがセガやBungine買収を検討していたことを示す社内メールも公開されていました。
資料の中にはソニーが提出した文書も含まれており、超大作『Horizon Forbidden West』と『The Last of Us Part 2』の開発費やスタッフの人数が書かれていました。
この文書はPlayStation事業トップのジム・ライアン氏によるもので、ソニーがサードパーティのパブリッシャーと分かち合っているマージン(PlayStationストアでの販売手数料など)、アクティビジョン・ブリザードの『Call of Duty』シリーズからの収益、さらにはPlayStation大作タイトルの開発コストさえ書かれています。もちろん具体的な数字は他の裁判文書と同じく、見えないよう「編集」済みでした。
が、今回は隠すための黒塗りが薄かったため、数字がうっすらと見えてしまいました。それらをスキャンしたところ『Horizon Forbidden West』の開発費は5年間で2億1200万ドル(約305億円)、ピーク時でのフルタイムのスタッフは300人以上。そして『The Last of Us Part II』の開発期間はざっと6年で2億2000万ドル(約317億円)、スタッフは約200人と記されているようです。
この文書はすでにFTCが公開した証拠リストから削除されていますが、The Verge編集者のTom Warren氏は消される前にダウンロードしており、該当箇所をTwitterでシェアしていました。
また、文書ではこれら数字はゲームの開発費だけであり、他に全世界的なマーケティング費用も掛かると書かれています。
以前ライアン氏は、もしもPlayStation Studiosで作るゲーム(自社開発タイトル)を発売初日からPS Plusで提供すれば「好循環が崩れてしまうと考えています。私たちのスタジオに必要なレベルの投資は不可能になり、私たちが作るゲームのクオリティへの悪影響は、ゲーマーが望むものではないでしょう」と述べていました。今回読み取れた数字が本当だとすれば、そうした姿勢も頷けそうです。