マイクロソフトはWindows 11の標準搭載アプリ「ペイント」で、1クリックで画像の背景を削除できる新機能の提供を開始しました。
先行テストプログラムWindows InsiderのCanary および Devチャネルを通じて、ペイントのアップデートを配布しています(バージョン11.2306.30.0)。
ただしCanaryチャネルは早い段階でのプレビューを行う場であり、ここでテストした新機能をそのまま製品版に導入するとは限りません。
新機能「background removal」の使い方は、ペイントに画像ファイルを読み込む、あるいはクリップボードから貼り付けて、ツールバーの左側にある背景除去ボタンを押すだけです。
するとペイントは自動的に画像全体から被写体を検出し、背景を削除します。また、ユーザーが画像を一部だけ範囲選択して、切り抜く対象を絞り込むこともできます。
これまでOfficeでも同様の機能がサポートされていましたが、ペイントに追加されるのは初めてのことです。
ペイントはWindows標準アプリだけに、画像のトリミングやサイズの変更、注釈入れなどに幅広く使われていますが、背景を削除するにはサードパーティ製アプリに頼らざるを得ませんでした。(マイクロソフトの別アプリ「Paint 3D」でも自動選択から切り抜きはできますが)。
マイクロソフトは、ペイントにもBing Image Creatorと同様のAI画像生成ツール追加を検討しているとの噂話もあります 。これらのテストが順調に進み、製品版に搭載されることを期待したいところです。
なおiPhoneやiPadでは、昨年のiOS/iPadOS 16から、写真アプリで対象を長押しするだけで輪郭を検出して切り取る機能に対応しています。今年のiOS 17では切り取ってステッカーにしてメッセージ等に貼れる機能も追加予定です。