Nintendo Switchも発売から7年目を迎え、そろそろライフサイクルの終わりに差し掛かりつつあります。
そんななか、後継モデル(以下「スイッチ2」)の未確認情報も相次いでいましたが、今度は「任天堂が実際に開発者にスイッチ2の技術デモを見せた」と複数の人物が証言しています。
いずれも、先月下旬にドイツ・ケルンで開催された大型ゲームイベントgamescom 2023での証言です。
まずはイベント終了直後、マイクロソフト関連で信頼性の高いWindows Centralの編集者Jez氏がいち早く「一部のプレスや開発者に新型スイッチをクローズドで見せた」とつぶやいていました。
欧州ゲームメディアEurogamerの情報筋は、スイッチ2の開発者向けプレゼンは非公開で行われ、スイッチ2がどの程度の性能が出るよう設計されているかを示す「技術デモ」だったと述べています。
デモとして見せたソフトのひとつは、Wii Uや現行のNintendo Switchで発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を、スイッチ2の性能を示すように改変したバージョン。
もっとも「単なる技術デモ」であって、次世代Nintendo Switch版ブレワイが製品として発売されたり、アップグレードが提供されると判明したわけではありません。
第2の証言は、米ゲーム情報サイトVGCがそれとは別の情報筋から得たものです。なおVGCは上記のEurogamer報道についても、独自の情報源から裏付けが取れたと主張しています。
それによれば、任天堂はスイッチ2で『The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience』の技術デモを披露したとのこと。
もともと本作は、UE5による表現力をアピールするため、PS5とXbox Series X|S向けに無料配信されていたソフトです(配信終了済)。
当時は、『マトリックス』世界でのカーチェイス&銃撃戦や、都市を時間の推移込みで丸ごと再現したグラフィックが大反響を呼んでいました。
このデモは、NVIDIAのDLSS技術を使って動作しており、高度なレイトレーシングが可能で、ソニーや マイクロソフトの現行ゲーム機に匹敵するビジュアルを実現していたとされています。
DLSSとは、内部的に低い解像度でレンダリングしておき、Deep Learningで高精度にアップスケールする超解像技術の1つ。ネイティブ描画に迫る画質を維持しながらグラフィック処理の負荷を減らし、高いフレームレートを実現する手法です。
実際に任天堂は、約3年前にDLSSに類似した技術の特許を出願していました。
数日前にも、著名リーカーI’m A Hero Too氏がRedditにて「スイッチ2の開発キットは『FINAL FANTASY VII REMAKE』をPS5のゲームのように動かせていた」「移植には時間がかからなかった」と述べていました。
さらに同氏はスイッチ2開発キットにつき、いくつかのゲームで後方互換性(現行スイッチのソフトが動く)や「新しいカートリッジ。新しいカメラ機能」も確認したと語っています。
ほかスイッチ2については、信頼性の高いリーカーNate the Hate氏が「8インチの液晶画面、内蔵ストレージ容量は最大512GB」と主張しています。
以上、当然ながらいずれも任天堂の公式発表ではなく、また製品版を反映したものとも限りません。
しかし一般論として、ゲーム機は発売よりある程度前のタイミングでサードパーティーに情報を開示してソフトを準備してもらう必要があるために、社外に非公開デモを見せ始めた段階で急に情報の漏洩やリークが増え、内容も一致してくることはどこでも変わりません。
同じgamescom 2023で「クローズドなデモを見た」と複数の証言が続くのは、次世代Nintendo Switchもいよいよその段階に入ったことを示している可能性はあります。
一方、今回の「証言」からは分からないことも多く、正式発表の直前まで誤った情報がまことしやかに囁かれるのもよくあること。もし次のSwitchが間近なら、任天堂が公式に何らかの動きを起こすと期待したいところです。