人気の携帯ゲーミングPC「Steam Deck」に、新機能の追加や多くの不具合を修正するアップデートの配信が始まりました。
純正の専用ドック「Steam Deck Dock」経由で、外付け画面のVRR対応が実現します。
これらは「SteamOS 3.5.5」安定版の更新事項。新モデル「Steam Deck OLED」が発売されましたが、従来モデルもソフトウェア・アップデートにより改善・強化されます。
本バージョンの更新箇所は、9月のプレビュー版とかなりの部分が被っています。まず、外付けディスプレイ接続時の可変リフレッシュレート(VRR)とHDRをサポート。
HDRはディスプレイが対応している場合、VRRは対応USB-Cアダプタがあれば、それぞれディスプレイ設定から有効にできます。
また、Steam Deck LCD(従来モデル)の標準カラーレンダリングがsRGB色域をエミュレートするよう調整され、わずかに暖かく、より鮮やかな色で表示されるようになりました。
sRGBとは国際標準規格の色空間のことで、Windows環境においても事実上の標準です。
さらにグラフィックドライバを更新し、『Starfield』のパフォーマンスも改善。もっとも超大作でグラフィックもリッチな同ゲームが、Steam Deckにとって荷が重いことは根本的に変わりません。
今回特筆すべき点は3つ。1つは、ディスプレイ設定に2つのオプション「 Color Vibrancy(色の鮮やかさ)」と「Color Temperature(色温度)」を追加したことです。
前者はNative(アップデート前のSteam Deck画面)/sRGB(sRGB色域をエミュレート)/Boosted(より広い色域のディスプレイをエミュレート)の3種類を切り替えできます。
2番目は、電圧オフセット設定の追加。それ以上の説明はありませんが、Steam Deckのパフォーマンスを調整したい人は便利に使えるかもしれません。
最後の1つは、純正ドック「Steam Deck Dock」にも外付けディスプレイ接続時のVRRがサポートされることです。Steam Deck単体でもVRR対応しましたが、大型ディスプレイに繋いで遊ぶ場合はドック使用の方が物理的に安定しやすいため、有り難いことと言えるでしょう。
ほか、「スリープ復帰速度がわずかに向上」「Bluetooth接続の安定性の向上(特に複数コントローラー使用時)」や「内蔵ディスプレイのバックライトが常に点灯したままになる長年の問題を修正」などバグ修正や改善点も多数あり。
地味に面白い点では、FPSなどをリアルタイムで確認できるパフォーマンスオーバーレイの表示内容をカスタマイズできるようになりました。設定ファイルの編集が必要です。
今回は安定版のため、全ユーザーにアップデートが推奨されます。もちろん、新型のSteam Deck OLEDもサポートしています。
¥89,800
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