OpenAIの主導権をめぐる内紛劇は、マイクロソフトによる「総取り」で終結した模様です。
11月6日OpenAIのDevDayでマイクロソフトのサティア・ナデラCEOとにこやかに握手していた、OpenAI創業者のサム・アルトマン氏が同社の取締役会からCEO退任を宣告されたのが先週末の11月18日。
アルトマン氏だけでなく、グレッグ・ブロックマン氏、さらには主要なエンジニアが次々と退社を表明する中、寝耳に水だったとされるマイクロソフトらステークホルダーによる圧力で、取締役会はアルトマン氏らと話し合いをもったものの、同氏の復帰はなりませんでした。しかし、この件を告げるThe Informationらの報道があった11月20日に、マイクロソフトのナデラCEOが続報をXに投稿。
新体制のOpenAIとのパートナーシップは継続する一方で、アルトマン氏は同じくOpenAIを退社したグレッグ・ブロックマン氏らとともにマイクロソフトの新しいAI研究チームを率い、マイクロソフトはそのために必要なリソースを提供する、という内容です。アルトマン氏はこれに対し、「使命は続く」とリプライ。
マイクロソフトは、OpenAIとの関係を継続する一方で、アルトマン氏と一緒にOpenAIを退社した人材をも自社に抱えるという、ある意味「全部取り」に成功したことになります。
ブロックマン氏もXへの投稿で、「新しく、すごいものを作る予定だ」とし、そこにはマイクロソフトに加わる脱OpenAI組3人のXアカウントを記載。脱藩者はさらに増えるようです。
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOによる投稿で、OpenAIお家騒動は一件落着となりましたが、新しいOpenAIの方針はまだマイクロソフトに説明されていない模様で、ナデラCEOは、新しい暫定CEOのエメット・シア氏と新しい経営陣との打ち合わせを楽しみにしているとポストしています。
ナデラCEOはさらに、アルトマン氏は新しいAIグループのCEOになるが、マイクロソフトの一員となることで企業文化やアイデンティティを失うことはないと説明しています。