YouTube広告を16倍速であっという間に終わらせるChrome拡張が公開、広告ブロック警告を回避

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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YouTubeは今年、ブラウザーの拡張機能などで提供される広告ブロッカーへの対策を強化し、ユーザーが使用し続けると「広告ブロッカーの利用は、YouTube の利用規約で認められていません」と警告画面を表示するようになりました。

この画面が現れた場合、選択肢に従ってAdblock PlusやuBlock Originといった広告ブロッカーの設定からYouTubeを除外するか、広告表示のない有料プラン「YouTube Premium」を使うことが求められます。

警告画面は右上の×ボタンでいったん消すことはできるものの、そのままでは結局、動画再生時に再び警告画面を見ることになります。


この、いわば「広告ブロッカーブロック機能」は、非常に効果を発揮しているようで、今月はじめには、検出地域を全世界に拡大してさらに取り締まりを強化しつつある様子です。

しかし、先週Chromeウェブストアに公開された「Ad Speedup」と称する拡張機能なら、広告をブロックせずにやり過ごすことが可能になります。この拡張機能の開発者が先週Redditに投稿したGIFを見れば、その効果は一目瞭然です。

「Ad Speedup」は、YouTubeのプレイヤーの再生速度コントロールを利用して広告の再生を高速化します。ユーザーが画面上で同じことをしようとしても、広告再生中は速度をいじることはできません。

しかしこの拡張機能は広告の再生が検出されると自動的にプレーヤーの再生速度を16倍速に設定します。そのため、30秒の広告も約1~2秒で終わらせることができるわけです。あっという間に終わるとはいえ、広告は再生されているため警告の対象にならないという理屈です。

「Ad Speedup」は、少なくとも記事執筆時点では警告の対象にはなっていないようです。とはいえ、これで広告を視聴したとはいえない以上、当然ながらYouTube側が把握すれば不正とみなして対策を講じると思われます。

拡張機能の使用についても、YouTubeの利用規約で禁じられた迂回・無効化・不正利用、あるいはエンゲージメント測定を歪める行為に該当する可能性が高く、広告ブロックと同様に利用できるからといって警告やアカウント停止などの対策がないとは限りません。


広告を回避できたとしても、YouTubeの広告再生カウントが変わればクリエイターへの支払いが影響を受ける可能性もあります。広告を避けつつ動画クリエイターをサポートしたいなら、YouTube Premiumを選択するのが最良の方法であることには変わりありません。

なお、この拡張機能は広告を高速で終わらせることはできるものの、短い広告の後に現れる「スキップ」を自動でクリックすることはできません。これについては、今後のアップデートで対応する予定と拡張機能の説明には記されています。

追記:今回の広告スピードアップのようなサードパーティー製のChrome拡張機能を導入する際は、要求される権限の範囲で何が起きるか、提供者を信頼するしかありません。

すべての拡張機能やアプリにいえることですが、善良な個人の開発者や、信頼のおける企業の提供でストアの審査を通過していても、管理維持が難しい等の理由でいつの間にか良からぬ相手に売却され、本来とは違うスパイウェア的な挙動が仕込まれても発覚が遅れるといった可能性もあります。拡張機能に与える権限によっては特に注意が必要です。


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