ゲームの祭典 The Game Awards 2023で、セガが忍~SHINOBI~やクレイジータクシーなど、1980年代~00年代の旧作をリブートするプロジェクトのティーザー動画を初公開しました。
動画に含まれるタイトル / シリーズは
ジェットセットラジオ
クレイジータクシー
Shinobi
ゴールデンアックス
ベア・ナックル (Street of Rage)
1980年代後半から2000年にかけて、アーケードや家庭用ゲーム機で展開した作品群です。
セガは事業計画において、旧作ゲームなど世界的に親しまれたIP (知的財産) の積極活用を掲げ、ゲームとしての新作開発に留まらず様々なメディアでの展開を計画しています。
代表取締役副社長Co-COO 内海氏は発表文のなかで、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズがゲームの新作だけでなく映画化でも大ヒットし新たなファンを獲得したことを挙げ、以下のように述べています。
「(略) 本日の発表は、セガが持つ豊富な資産を新たに生まれ変わらせるプロジェクトの始まりにすぎません。私たちはなによりもまず、記憶に残るキャラクターと世界観をもった、すばらしいゲームを創り出していくことをお約束します。あらゆる世代のファンの皆さまに、今後数年にわたり展開していくこれらのゲームやプロジェクトにご期待いただければ幸いです。」
今回動画として公開された5作品は、いずれも1980年代後半から2000年にかけて、セガが家庭用ゲーム機を展開しアーケード運営も手掛けていた時代の花形ゲーム。
シリーズ化した人気作品ばかりで、現在も移植版はさまざまなかたちで入手できますが、ベア・ナックルを例外に近年は新作が途切れていました。
ベア・ナックルは外部の開発者がセガに提案しライセンスを取得した26年ぶりの新作ベア・ナックルVI / Street of Rage VI が、2020年にマルチプラットフォームで発売しおおむね高い評価と100万本以上の好調なセールスを記録しています。
ティーザー動画に含まれるゲーム画面は非常に短いものの、いずれも旧作のイメージから大きくは離れない印象。
2000年発売と比較的新しく、すでにモダンなポリゴンによる3D表現とトゥーンシェーディングを採用していたジェットセットラジオは、旧作でいえばビートのような主人公が渋谷(シブヤチョー)らしき街をスケートシューズのグラインドで走る場面。海賊放送ジェットセットラジオのDJ、プロフェッサーKも健在のようです。
ベア・ナックルは2Dスプライトのベルトアクションだった旧作から、3Dポリゴン化した表現に。4はアメリカン・コミックス風のイラスト調を採用し旧作とはガラリとイメージを変えましたが、新作はややリアルな、ストリートファイターの近作のようなモデリングになるようです。
2020年の『VI』は旧作から10年が経過した設定で、主人公アクセルは貫禄を増した髭面でしたが、ティーザー映像ではやや若いように見えます。別人か、時代を遡った設定なのかもしれません。
Shinobi 新作は明確に手描きイラスト風2Dアクション。旧作はアメリカンNINJAムービーであったり戦隊モノ特撮であったり、作品により様々な世界観をモチーフとしており、実写取り込み2Dの怪作もありました。
新作は空中ジャンプによじ登りなど、いまや定番ジャンルとなった「1980年代風ジャンプアクション」の文脈になるようです。主人公はまるで忍んでいない白装束に赤い手甲脚絆のニンジャ。メガドライブ版ザ・スーパー忍IIの強制スクロールステージを思わせる場面もありますが、旧作の忍犬ヤマトのような犬に乗っているように見えます。
ゴールデンアックス新作は、ティーザー映像では視点がぐるぐると変わる3Dサードパーソン化。旧作のギリウス・サンダーヘッドのような緑のキャラクター、トゲを生やした強そうなチキンレッグ亜種のような騎乗動物も。
今回のティーザーに含まれる5作品を含め、新作の正式な発売時期やタイトル、プラットフォーム等々は今後正式に発表の見込み。
なおセガはソニック以外の旧作も映像化プロジェクトを進めており、企画としては有名どころのほとんどが提案や準備の段階にあるほか、昨年にはメガドライブのアクション『コミックスゾーン』、ドリームキャストの『スペースチャンネル5』をハリウッド映画化する計画も発表しています。