Amazon Prime Videoは最近、米国を含む一部の国・地域でサービスへの広告挿入を開始し、従来どおり広告なしで視聴するには(米国では)月額2.99ドルの追加料金が必要になりました。
しかし、ドイツのエンタメおよびオーディオ・ヴィジュアル関係のニュースサイト4KFilmeが最初に報じたところでは、追加料金を支払わない広告ありのプランでの配信コンテンツは現在、Dolby VisionおよびDolby Atmosのサポートが削除され、たとえコンテンツのタイトルにDolby Atmosのラベルがある場合でも、再生時の音声フォーマットはDolby Digital 5.1になる模様。また映像のほうは、Dolby Visionはなくなりましたが、HDR10+をサポートしていたコンテンツの場合はそれが残っているとのことです。
今回の変更について、Amazonは広告の導入を発表した際には言及していませんでした。また追加料金なしで広告表示を選択したユーザーに対する通知も行われていないとのことです。Forbesは、Dolby VisionおよびDolby Atmosを削除するという変更自体が、何らかの技術的なミスの可能性もあると当初は報じました。しかしその後、Amazonからこの変更が意図したものであるとの確認が得られたと伝えています。またArs Technicaは、今回の変更がDolby Laboratoriesから請求されるライセンス料の問題ではないかとの推測を述べています。
ちなみに、Amazon Prime Videoは2016年に初めてDolby Visionのサポートを導入しましたが、その翌年には、HDR10+の支持を打ち出してDolby Vision対応を取りやめ、数多くのタイトルをHDR10+に対応させるようになりました。しかし、2022年、『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』などの作品で、再びDolby Visionもサポートするようになっていました。
今回の変更はすでに広告を導入した国が対象のようで、記事執筆時点で日本のAmazon Prime Videoのコンテンツを確認したところでは、Dolby Visionは引き続きサポートされていました。