Twitter風のテキストベースSNSサービスBlueskyは、ユーザーが運営者と協力してコンテンツをモデレーションできるツール「Ozone」を今週内に導入すると発表しました。
あわせてOzoneをオープンソース化し、開発者が独自にモデレーションサービスを作成・提供できるようにします。
モデレーションとは、具体的には「○○という話題や画像を非表示にする」や「ある条件に該当する投稿にラベルを付ける」といったこと。これまでの大手SNSでは、一般的には運営側が独占してきました。
Ozone導入後は、Bluesky Social運営以外が作ったモデレーションサービスを簡単に登録し、組み合わせできます。
たとえば蜘蛛の写真をブロックするサービスを直ちにインストールし、すぐに非表示にできる。ラベルがない蜘蛛の写真を見つけた場合は報告できるといった具合です。
Blueskyが例に挙げた写真を見るかぎり、購読ボタンを押せばすぐに導入できるようです。
これら追加モデレーションは複数が組み合わせできるとともに、アプリの設定からラベル毎のオン・オフや警告・隠すなどの切り替えが可能です。
ラベルを貼られて非表示にされた例は、次の通りです。
これをBlueskyは「積み重ねできるサービスのエコシステム」「Blueskyアプリの土台に積み木を重ねるように、独立したモデレーションサービスのフィルターを導入できます」と表現しています。
ただし、すでにBlueskyにはモデレーション専門チームがあり、Bluesky公式サーバ(bsky social)に参加したユーザーは自動的にBlueskyのモデレーションサービスに登録されます。その場合、Bluesky側のルールやモデレーションを外すことはできません。
Blueskyは元々、イーロン・マスク体制になる前のTwitterによって、一社が運営判断を独占する中央集権型ではない分散型のソーシャルメディアを実現させるため発足しました。
このため、Blueskyはオープンな分散型ソーシャルメディアのためのプロトコルであるAT Protocol を開発しつつ、実装のひとつとして独自のサーバである bsky social を運営している立場です。
Blueskyが招待コードなしで参加可能になった直後、ルールやモデレーションがない、あるいは緩い場所だと考えてセンシティブなコンテンツを投稿したイラストレーター等が次々とアカウント停止や閲覧制限を受けた事態がありました。
これは bsky social が定めるモデレーションの基準によるもので、同じサーバに所属しているかぎり、spamや違法行為と同様に従来のモデレーションは適用されます。
Blueskyは多くのユーザーやグループが自由にサーバを構築して独自のサービスを運営できる分散型SNSであり、bsky social以外のサーバにいれば、そのサーバ内では独自のモデレーション基準が適用されることになります。
もっとも、仮に「なんでもあり」のモデレーションなしサーバを立ち上げた場合、悪用や各国の法律や規制への対応は運営が負担することになり、そのうえでホストしたポストやコンテンツについても、フェデレーションの仕組みで相互につながった先のサービスでは、そちらの基準で閲覧制限なりモデレーションされることになります。
Ozoneをオープンソース化したことは、そうしたBluesky公式以外のサーバにも独自のモデレーション・サービスを実装し、運営を簡素化することにも繋がります。
今後のBluesky上でのOzone展開は、第1段階としてデスクトップ版アプリで利用可能となり、その後まもなくモバイルアプリ版でも利用できる予定です。