アップルは先週、App Storeのアプリレビューガイドラインを改訂し、これまで許可していなかったレトロゲーム機のエミュレータアプリ配信を認める文言を追加していました。
それから約1週間後、iPhoneとiPad用の無料ゲームボーイ・エミュレータ「iGBA」が一時的にApp Storeに登場。複数のユーザーがダウンロードしましたが、まもなくストアから削除されました。
このアプリはゲームボーイ、ゲームボーイカラーおよびゲームボーイアドバンスのエミュレータであり、デバイス内に保存したROMデータをロードしてプレイできます。
あるYouTuberは、ROMデータを読み込ませた上でバーチャル十字キーやABボタンで遊んでいる様子を紹介しています。
途中セーブやバーチャルキーのカスタマイズ、ハプティック(振動)の強弱などの設定も可能です。
ただし、開発者のRiley Testut氏は本アプリが自作のオープンソースプロジェクト「GBA4iOS」 の無許可クローンだと主張。GBA4iOSはGNU GPLv2ライセンスを使っていますが、iGBAでは著作権等に関する記述を全て削ったライセンス違反であり、代わりに広告を追加しているとMastodonユーザーが指摘しています 。
Testut氏はGBA4iOSのクローンをApp Storeで配信する許可を誰にも与えていないこと、広告やユーザー追跡が組み込まれた模造品が無料アプリランキングのトップに居すわっていることに舌打ち。が、開発者を非難するわけではなく、模造品を承認したアップルに腹を立てていると述べています。
すでにiGBAはApp Storeから消えていますが、開発者本人が削除したのか、それともアップルが削除したのかは不明です。
Testut氏はEUのみで許可される独自アプリストアとしてAltStore(以前から存在した非公式アプリストア)のリリース準備を進めており、そこでGBA4iOSの進化形であるDeltaを配信する計画であるとThe Vergeに語っています。
このDeltaをApp Storeで配信して欲しいとの声も挙がっていますが、Testut氏が対応するかどうか。また対応するとして、アップルが配信を認めるのか気になるところです。