iPhone 16が「毎月3円・1年間36円」のカラクリ。実際の支払い総額はいくら? 1年後返却(下取り)のソフトバンク「新トクするサポート(プレミアム)」はお得か

ガジェット スマートフォン
Yusuke Sakakura

スマートフォンやタブレット、アプリ、サービス、アクセサリを総合的に取り扱うブログメディア「携帯総合研究所」を運営。高校生で立ち上げて15年以上が経過しました。エンジニアの経験も活かして大手4社比較できる料金シミュレーターも開発しています。

9月20日(金)の発売を前に、iPhone 16シリーズの予約受付がスタートしました。

今年のラインナップは、スタンダードモデルのiPhone 16 / 16 Plusと、ProモデルのiPhone 16 Pro / 16 Pro Maxで計4機種です。


特に大きな進化を遂げたのはスタンダードモデルで、ボタン一つでお気に入りのアプリやショートカットを起動できる「アクションボタン」や、一眼レフのようにカメラ操作できる「カメラコントロール」、光学2倍ズームがより明るくなった「48MP Fusionカメラ」、そしてProと同じ世代のA18プロセッサ搭載でAIプラットフォーム「Apple Intelligence」に対応(日本語は2025年予定)など、Proモデルに搭載された機能の多くがスタンダードモデルにも搭載されています。


端末だけでなく価格も魅力的です。毎年のように値上げしていたApple公式価格は昨年と同額に据え置かれ、さらにソフトバンクは、先月発売のGoogle Pixel 9に続いて、iPhone 16の128GBモデルも機種代金が毎月3円・1年間で36円という驚きの価格になるプログラムをアピールしています。


■「年間36円」は初年度の機種代金のみ、1年目返却(下取り)は追加費用

ただし、この36円という価格は返却(下取り)を前提に毎月の支払額を抑える端末購入サポートプログラム「新トクするサポート(プレミアム)」で購入することが条件。

1年後に端末を返却した場合、機種代金の14万5440円のうち99.97%の(145,404円)の支払いが免除される仕組みです。

こういった販売方法は「ただのレンタル」と揶揄されることもありますが、スマホの買い替え時に古いスマホを下取りに出していた人は多いはず。

特殊な場合を除き、スマホは持ち続けても価値が上がることはないため、最新機種を使い続けたいユーザーならば、下取りプログラムや中古売却は選択肢のひとつになります。

■ 1年後返却(下取り)には追加保証「あんしん保証パック」加入が必須

1年後の時点で端末を返却するには、「早トクオプション」として1万9800円の支払いが必要です。

この時点での支払いは1年分の機種代金36円+早トクオプション1万9800円で計1万9836円になりますが、早トクオプションを利用するためには、月額1450円の「あんしん保証パックサービス」への継続加入も必須です。「あんしん保証パックサービス」は端末購入と同時にしか加入できないため、1年分の費用がかかります。

「あんしん保証パックサービス」は、Appleが提供する月額1340円の「AppleCare+ 盗難・紛失プラン」と比べればやや割高ですが、AppleCare+と同等のサービスに加え、故障や紛失・盗難に遭っても新品同等品を自宅まで届けてくれるのが特徴です。

AppleCare+ と比較しても有利なのは、修理代金の全額相当(全損扱いの場合は上限3万0000円相当)がPayPayポイントで返ってくること。

AppleCare+の場合は毎月の支払いに加え、修理時に追加費用がかかりますが、「あんしん保証パックサービス」では、実質的に月額費用だけで修理できます。

■ 総額は1年間で3万7236円・月間3103円

さて、これらの費用をすべて含めると、年間の支払額は37,236円で、月額に換算すると3,103円になります。

  • 機種代金:36円

  • あんしん保証パックサービス:1450円x12か月

  • 早トクオプション:1万9800円

総額は36円の1000倍以上で「いや、結局高いやんけ」という声もあるかもしれません。

他社も返却前提の購入支援プログラムを導入している業界事情や慣行、実際の購入前には個別の支払いが説明されることを差し引いても、機種代金を「総額36円」と大きく目立たせて、1年後の返却には必要な1万9800円の早トクオプションは別にすること、月額1450円 x12か月のあんしん保証パックサービスは総額表記に含めないのは、36円のインパクトを狙った紛らわしい見せ方であることは確かです。

(文脈によって、ソフトバンク内でも1年目の機種代金「総額36円」の表記と、オプション費用含めて1年後返却した場合の「総額1万9836円」の両方がある。どちらも「1年目で下取りに出した場合の総支払額」ではない)

一方で、同じ3万7800円前後で購入できるiPhone は、たとえば中古スマホを販売するイオシスでは5年前の2019年モデルである iPhone 11 Pro / 11 Pro Maxなど。また売却もできますが、最新モデルにはほど遠い仕様です。もちろん追加保証や修理代金の補填もありません。

初期費用を抑えつつ最新モデルを使いたいユーザーにとっては、iPhone 16を同等の額で、破損して中古売却時の下取り価格が激減してしまう心配が少ない保証サービス付きで1年間使うことができ、来年には残債を気にせずまた最新機種を検討できる魅力になります。

注意が必要なのは、12か月目まで月額3円の機種代金が、13か月目以降は4,039円に跳ね上がること。1年後に返却することを手間に感じない人、実質レンタル的な買い方に抵抗のないかたにとっては、総額と手続きを確認したうえなら有力な選択肢のひとつです。

《Yusuke Sakakura》
Yusuke Sakakura

スマートフォンやタブレット、アプリ、サービス、アクセサリを総合的に取り扱うブログメディア「携帯総合研究所」を運営。高校生で立ち上げて15年以上が経過しました。エンジニアの経験も活かして大手4社比較できる料金シミュレーターも開発しています。

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