先週末、任天堂は米連邦通信委員会(FCC)に謎の「ワイヤレスデバイス」に関する申請書を提出しました。このデバイスは発表が近いとうわさのNintendo Switch後継機とは異なる、別の製品であるようです。
新デバイスの申請書には「CLO-001」という型番が記載されています。任天堂は伝統的に、Nintendo Switchの「HAC-001」、ニンテンドーDSの「NTR-001」など、新製品ラインの皮切りとなる主要機器に001の番号を割り振ってきました。
Switch 2に関しては、現行Switchのフォームファクターを踏襲するとの予想が大勢を占めていることから、今回のCLO-001はまったく新しい製品ラインであると考えられます。
CLO-001の申請書類に含まれる図から、新デバイスの形状は角丸の正方形であることがわかります。また背面中央には各種認証を表示するラベルを貼るためのくぼみがあり、そこに4.5ポイントで文字を記す旨が描かれています。
もし仮にこの図を元にデバイスの大きさを考えるなら、文字の大きさを1ポイント約0.35mmで計算すると、文字の高さ(縦幅)は約1.59mm、ラベルの縦幅が約2cmとなり、そこからデバイスの縦寸法は7cm前後になると推定できます。
ただし、この図はあくまで製品のどの部分にラベルを表示するか示すためのものであって、縮尺を正確に描く必要はないため、実際の製品がこのとおりになるかはわかりません。
また資料に「ワイヤレスデバイス 」と記されているとおり、2.4GHz帯のWi-Fiに対応しているものの、5GHz帯Wi-FiやBluetoothなどには対応していません。
一方で、近接センサーや動体センサーに用いられる24GHzミリ波センサーが組み込まれており、これがこのデバイスの特徴的機能として使われている可能性も考えられます。ミリ波センサーはジェスチャー検知などにも使うことができます。
なお、外部接続端子としてはUSB-Cが採用され、これが電源供給のために使われることは間違いなさそうです。
他のデバイスとの通信に使われることも考えられ、ドッキングステーション経由でSwitch 2(仮)などのデバイスに接続し、何か新しい機能を提供することも考えられなくはありません。
任天堂は岩田社長時代の2014年、今後10年にわたって取り組む新規事業領域として「人々のQOLを楽しく向上させるプラットフォームビジネス」を掲げ、具体的には(当時)競合の少ないノン・ウェアラブル製品を用いた健康増進を挙げていました。
2014年1月30日(木) 経営方針説明会/第3四半期決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡
発表から2024年でちょうど10年。ニンテンドースイッチではリングフィットアドベンチャーがヒットするなどエクササイズゲームは定番になり、非ウェアラブルで健康増進としてはGoogle Nest Hubなどレーダーやマイクで睡眠を計測するデバイスがあり、株式会社ポケモンはスマートフォンやPokemon GO Plus+ をセンサとして使う睡眠アプリ『ポケモンスリープ』を展開しています。
Switch 2(仮)や現行Switchに追加して姿勢や睡眠、ジェスチャ等を測れる機器はいかにもありそうですが、一方でFCC登録したからといって一般消費者向けに広く販売する機器とは限らず、たとえばテーマパークやミュージアム等で限定的に使う可能性もあります。
いずれにせよすぐに発売という段階ではなく、少なくとも今後数か月は、CLO-001は謎のデバイスのままであり続けそうです。