YouTubeのソニー・ピクチャーズ公式チャンネルが、9月25日より映画『ストリートファイター』本編の無料公開を開始しました。
大ヒットゲームを原作とする実写映画化は、かつてはあまり多くを期待してはいけないジャンルでした。その代表的な例は言わずと知れた名作ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』をモチーフとした1993年公開の『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』ですが、今回ソニー・ピクチャーズ公式が無料公開している『ストリートファイター』も、それに並ぶ作品として、当時を知る人の心には記憶されていることでしょう。
カプコンの大ヒット格闘ゲーム『ストリートファイターII』とそのシリーズ作をベースとして制作された映画『ストリートファイター』は、ゲームの米国版と同様に主役がアメリカ空軍大佐のガイルになっており、そのガイルをアクションスターのジャン・クロード・ヴァンダムが演じています。また、ガイルをサポートする役回りになっているキャミィには、実は俳優歴のほうが歌手歴よりも長い人気歌手のカイリー・ミノーグが扮しました。
他にも米国版ゲームと同様にベガの名がバイソンに、バイソンの名がバルログに、バルログの名がベガになっているところや、日本版のゲームで主役キャラクターであるリュウとその親友/ライバルのケンが詐欺師コンビになっているといった設定の違いはあるものの、劇場公開から30年が経過したいま、余計な期待や先入観なしに鑑賞してみれば、意外とこの作品がB級アクション映画としてそこそこ楽しめるものであることに気づくかもしれません。
ちなみに、カプコンは以前に会社説明会資料のなかで、映画『ストリートファイター』関連の収益が155億円に達しているとし、2018年時点で年間数千万円のロイヤリティ収入を叩き出していると述べていました。
また『ストリートファイターII』の大ヒットで、広く対戦型格闘ゲームの代表作として知られるようになった原作ゲームの方は、その後も定期的に新作が出されており、現在は2023年に発売された最新作『ストリートファイター6』が大ヒット中です(さらに記事執筆時点では、SteamやPlayStation Store、Xbox.comで50%オフのセール中)。
『ストリートファイター6』はプロゲーマーから人気ストリーマー、Vtuberらがこぞって参加する大会も頻繁に開催・配信されるほどの活況を呈していて、今作で初めてストリートファイターや格闘ゲームに触れたという人もきっと多いはずです。
一方、今年6月には、ソニー・ピクチャーズがレジェンダリーとの共同製作で再び実写化する『ストリートファイター』新作映画が、2026年に公開する予定であることも伝えられており、まだまだ人気は続きそうです。
ゲームのランクマッチで負けが込んでしまったり、どうしても苦手なキャラを攻略できなくて煮詰まってしまったりしたときに、コントローラーを操る手を休めつつ、YouTubeで94年版『ストリートファイター』を鑑賞すれば、良い具合にストレスを解消できるかもしれません。
なお、格闘ゲームを実写映画化した今作を元に、今度は映画を実写格闘ゲーム化した怪作も作られています。
映画オリジナルの日本人キャラクター キャプテン・サワダがハラキリしたりカミカゼアタックしたりの大暴れでいまも語り草になる作品です。