火曜日、ワシントンで行われたGoogleに対する反トラスト法裁判で、OpenAI幹部のニック・ターリー氏は、もしGoogleからChromeブラウザー事業が分割・売却されるならば、それを買収することに興味があると述べました。
司法省側の証人として証言したターリー氏は、Chrome事業が売却されることについて「他の企業と同様に」関心があると述べています。そして、仮にOpenAIがChromeを買収し、そのブラウザーアプリを所有すれば、これまで拡張機能としての統合だったChatGPTをより深く統合できるようになり、「ユーザーにAIファーストの体験を提供可能になる」としています。
またターリー氏は、OpenAIが昨年、ChatGPTがGoogle検索からの情報を取得できるようにすべく、Google側に打診をしたことも明らかにしました。裁判で示されたメールによると、OpenAIはGoogleに対し、「複数のパートナー、特にGoogleのAPIを持つことで、ユーザーにより良い製品を提供できると信じている」としていました。しかしGoogleは当時、OpenAIによるChatGPT内での検索技術の利用提案を許否したとのことです。
ChatGPTは現在、マイクロソフトとの提携により、同社の検索エンジンであるBing検索から情報を取得できるようになっています。
米司法省は、昨年9月に連邦地裁がGoogleの反トラスト法(独占禁止法)違反を認定したことを受け、同11月にChromeブラウザー事業を売却する必要があるとしていました。月曜日の冒頭陳述でも、司法省側は、Googleのインターネット検索の独占が同社をAI事業でも優位に導く可能性があり、また同社のAI製品がユーザーを同社の検索エンジンに誘導するための手段のひとつになっている可能性にも懸念を示しました。
一方Googleは、Metaやマイクロソフトなど、生成AI製品を開発提供する企業たちとの競争状態にあると主張しており、現在のところChrome事業を売却するつもりはなく、連邦地裁による独占の認定に対しても控訴を予定しています。
ちなみに、OpenAIは現在、独自の検索システムにも取り組んでおり、当初は2025年末までにChatGPTの検索の80%にそれを使用する予定だったとされています。しかし現在では、その目標達成にはまだ何年もの時間がかかると考えていると述べています。
¥52,800
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)