今年(2022年)秋の新型Apple Watchは3種類あり、うち1つはエクストリームスポーツにも耐えられるタフモデルになるとの予測は、複数の事情通や著名アナリストが主張する有力説となっています。
タフモデルは最上位の位置付けで、Apple Watch史上で最大の画面サイズ、衝撃に強く割れにくいディスプレイカバーなどのプレミアム価値もあるため「Apple Watch Pro」になるとの予想もありました。
そんなApple Watch Pro(仮)について、数年ぶりにデザインが変更されることや、一度の充電で数日使えるようになるといった説が伝えられています。
今回も発信源は、アップルの未発表製品に詳しいBloombergのMark Grurman記者によるニュースレター「Power On」。このところGurman氏は毎週のように次期Apple Watchの情報を小出しにしており、さながら週刊Apple Watchの趣きもあります。
Gurman氏の説を一部引きつつ、他アナリストの見解やこれまでの経緯、補足とともに見てゆくと、まずハイエンドで頑丈なProモデルの画面が約7%大きくなり、大容量バッテリーが搭載される見通しは、以前も述べたことの再確認です。その大きさは「一部の顧客にしかアピールできないかもしれないほど」と人を選ぶことを強調。
すでにSeries 7の45mmでも大きすぎるとの声も聞こえてきますが、それ以上であればニッチな製品になる予感もあります。
特に興味深いのは、「新たな低電力モード」によって一度の充電で数日も持つというスタミナでしょう。ここでいう低電力モードとは、Apple Watch Series 8(Proモデル含む)専用と予想されている新機能のこと。
6月のWWDC 2022にて次期watchOS 9の一部として発表が見込まれていたものの、アップルの言及がなかった経緯があります。
すでにある「省電力モード」との違いは、アプリや様々な機能を使い続けられること。要はiPhoneやMacの低電力モードのように、「時刻の表示」以外のことをある程度は可能にするわけです。
この低電力モードと大容量バッテリーの組み合わせにより、Apple Watch最大のネックだった「日をまたいで使えない」(公称の持続時間は最大18時間)壁を乗り越えると思われます。山や海などエクストリームな環境で助けを呼ぶかもしれない人にとっては、命綱として頼もしくなりそうです。
もう1つの目玉は、Proモデルは2018年(Apple Watch Series 4)以来の新たなデザインを採用すること。円状ではなく、Series 7発売前に噂されていたフラットサイド(直線的な側面)でもなく、「現在の長方形のフォームを進化させたもの」になると表現しています。
またケース素材には、より耐久性の高いチタン合金が使われ、より頑丈になるとのこと。前は「スチールやチタンが使われるかも」といわれていましたが、より絞り込まれたかっこうです。
以上が楽しみな新要素ですが、一方で「2022年モデルでは望み薄」な数年待ちのテクノロジーにも触れられています。
それは血糖値モニターと血圧センサーの2つ。血圧機能はおそらく2025年までやってこず、血糖値の測定は2020年代の終わり近くまで準備できないとされています。ちょうどアップルはiPhoneとApple Watchがいかに健康に貢献しているかをまとめたレポートを発表した直後ですが、しばらくは人類のあらゆる健康管理までは手が届かなさそうです。
アップルが社内では血糖値モニタリング、血圧測定および体温測定センサーの3つに取り組んでいることは、数年前から噂されていました。しかし、今年初めには血糖値センサー(特に注射針で採血の必要がない非侵襲性)の開発が難航しており、血圧測定も最低でも2~3年は先だとの報道もありました。それから数ヶ月が経ちましたが、さほど進展はなかったようです。
今年のプロセッサは現行モデルSeries 7のS7と大差なく、新たな健康センサーも体温測定だけ(具体的な数字は表示されず、「発熱がある」の警告程度)との予想が固まりつつあります。が、アップルが防水性能の強化に繋がる特許を出願していることもあり、エクストリームスポーツを嗜む人は期待してもいいかもしれません。